GI-MAP®
- 消化器系の症状(下痢、便秘、腹痛、膨満感など)に悩んでいる人
- 消化器系の疾患(過敏性腸症候群、SIBO、炎症性腸疾患など)がある人
- 免疫系や神経系の症状(アトピー、副腎疲労、アレルギー、自己免疫疾患、うつ、不安など)に悩んでいる人
- 食物不耐性や小麦不耐性があると思われる人
- 抗生物質や非ステロイド性抗炎症薬などの薬を長期間使用している人
- 腸内細菌叢のバランスや多様性を知りたい人
- 腸内細菌叢に基づいた食事やサプリメントのアドバイスを受けたい人
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- Campylobacter : カンピロバクター
- C. difficile, Toxin A・Toxin B : クロストリジウム・ディフィシル トキシンA・トキシンB
例:この患者の結果は、基準値は1000CFU/g以下のところ、1.21x105=121,000CFU/gと非常に高値になっています。つまり、クロストリジウム・ディフィシル トキシンAが体内に非常に多い=感染がある、ということを意味します。
- Enterohemorrhagic E. coli : 腸管出血性大腸菌(EHEC)
- E. coli O157 : 大腸菌O157
- Enteroinvasive E. coli/Shigella : 腸管侵入性大腸菌/赤痢菌
- Enterotoxigenic E. coli LT/ST : 病原性大腸菌
- Shigalike Toxin E. coli stx1 / Shigalike Toxin E. coli stx2 : 志賀毒素stx1 / stx2
- Salmonella : サルモネラ
- Vibrio cholerae : コレラ菌
- Yersinia enterocolitica : エルシニア・エンテロコリチカ
- Cryptosporidium : クリプトスポリジウム
- Entamoeba histolytica : 赤痢アメーバ
- Giardia : ジアルジア
- Adenovirus 40/41 : 腸管アデノウイルス 40/41
- Norovirus GI/II : ノロウィルスGI/ GII
- Helicobacter pylori : ヘリコバクター・ピロリ:ピロリ菌の量を表す。糞便汚染、経口感染、家庭内感染が主な感染経路です。
- ピロリによる一般的症状:胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃がん、腹痛、吐き気、嘔吐
- 胃酸の逆流による症状:不眠・うつ(胃の不快感、胃酸の逆流、鉄・B12欠乏、慢性炎症、メラトニン分泌低下による不眠)、低たんぱく
- その他:・内分泌(糖尿病、甲状腺機能亢進)、免疫(自己免疫性疾患)、皮膚(アトピー、尋常性乾癬、尋常性ざ瘡との関連の可能性)など
- 高濃度ニッケルはCagAのレベルを増加し、ピロリ菌の病原性を高める可能性がある。
(World J Clin Cases. 2022) - 鉛、カドミウムへの曝露が、ピロリ感染に対する感受性と関連
(Int. J. Environ. Res. Public Health 2022) - 水銀生産工場労働者の好中球はカンジダを殺す能力が大幅に低下していた。
(Int J Immunopharmacol.1994) - バクテロイデス門
- ファーミキューテス門
- CDC(米国疾病対策予防センター)の化学物質への人間の曝露に関する報告書~「ほとんどのアメリカ人が体内に多数の有害物質を蓄積している」
- 「体調不良の大きな部分を毒素の蓄積が占めている」(Genius, SJ, et al. 2011)
- 日常的に良く見る毒素
- 重金属~水銀、鉛、アルミニウム、カドミウムなど
- カビ毒~マイコトキシン
- クロストリジウム毒素~βグルクロニダーゼ
- カンジダ・アルビカンスおよびカンジダ属:免疫不全の患者の病原となりえる共生真菌
- ゲオトリクム属:免疫不全患者の病気の原因。数値が低いものは、食品加工物でよく見られます。
- ミクロスポリジウム属:消化器に影響を与えるエンセファリトゾーン・インテスティナリスを特異的に検出します。下痢や衰弱を引き起こし、眼球、泌尿器、呼吸器にも感染する可能性があります。
- ロドトルラ属:土や植物、風呂、ミルクやジュース、水の中に生息しています。免疫不全者に病気を引き起こす可能性があります。
- 様々なカビが作り出す二次代謝産物。カビが繁殖する際に生成される
- 発がん性、肝毒性、免疫毒性、神経毒性、消化器毒性、腎毒性などを引き起こす
- ミトコンドリアにダメージを与え、グルタチオンを枯渇させる
- 酸化ストレスを引き起こし、細胞の酸化的損傷を促進する
- 消化器系:下痢、便秘、腹部膨満、腹痛
- 口腔内:口内炎、舌苔、口臭
- 皮膚:かゆみ、白癬、にきび、湿疹
- 全身症状:倦怠感、頭痛、めまい、不眠、イライラ、低血糖、うつ、集中力低下、脳霧(ブレインフォグ)
- アレルギー:花粉症、喘息、食物アレルギーなど
- Cytomegalovirus CMV:サイトメガロウイルス
- Epstein Barr Virus EBV:エプスタイン・バール・ウイルス
- Blastocystis hominis ブラストシスチス・ホミニス
- Chilomastix mesnili メニエール鞭毛虫
- Cyclospora spp. サイクロスポーラ属(サイクロスポーラ・カエタネンシス)
- Dientamoeba fragilis 二核アメーバ
- Endolimax nana 小形アメーバ
- Entameoba coli 大腸アメーバ
- Pentatrichomonas hominis ペンタトリコモナス・ホミニス(腸トリコモナス)
- Ancylostoma duodenale and Necatur americanus鉤虫とアメリカ鉤虫
- Ascaris lumbricoides ヒト回虫
- Trichuris trichiura ヒト鞭虫
- Taenia spp. 有鉤条虫/サナダムシ
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- Steatocrit ステアトクリット:便中脂肪は、通常胆汁塩で乳化され、小腸に吸収されます。便中の脂肪値が高いと、消化不良、吸収不良、脂肪便の可能性があります。
- Pancreatic Elastase1 エラスターゼ1:膵臓からのみ分泌される消化酵素で、膵臓機能を直接評価することができます。数値が低いと膵臓機能不全や脂肪吸収不良になる可能性があり、一時的に消化酵素のサプリメントの併用などが必要になるかもしれません。
- Beta-Glucuronidase β-グルクロニダーゼ:C.difficile毒素(毒素A&毒素B)
Toxin A(毒素A:エンテロトキシン)
- 宿主の細胞に影響を与え、アクチン(細胞骨格)やタイトジャンクションの機能を乱す。細胞死・粘膜ダメージ・リーキーガットに繋がる。
- CDADの原因となる腸絨毛や刷子縁のダメージを起こし、偽膜性大腸炎に見られる潰瘍に関連する
Toxin B(毒素B:サイトトキシン)
- 免疫細胞への毒性を持ち、シグナル経路、タイトジャンクション、細胞骨格に干渉することで細胞性の混乱を起こす
- 細胞構造全体を錯乱し、血管の腫脹、出血を起こす
- TNFαや他の炎症性サイトカインを誘導することでリーキーガットを増悪させる
- Occult Blood Fecal Immunochemical Testing 免疫学的便潜血検査(FIT):便潜血
- Secretory IgA (SIgA) 分泌型免疫グロブリンA:粘膜から分泌される免疫グロブリンで腸粘膜で一番多いです。
SIgA低値の場合:免疫力の低下や感染症のリスクが高まります。慢性的なマイクロバイオームのバランス異常、抗原の曝露、慢性的なストレス、タンパク質不足など、根本的な原因の特定と対処が必要です。なお一般的に、副腎疲労であると、低くなることが多いです。
SIgA高値の場合:消化管内の抗原への免疫応答の亢進が考えられます。慢性的なマイクロバイオームのバランス異常、急性感染、急性ストレス、食物への感度などが疑われます。またアレルギー反応や自己免疫疾患の可能性があります。 - Anti-gliadin SIgA 抗グリアジンSIgA:グリアジンは、グルテンの構成要素で、小麦のほか大麦、麦芽、ライムギなど畑の穀物中にあるタンパク質です。便中に抗グリアジンが存在すると、(腸内で)摂取したグルテンへの免疫応答の亢進が示唆されます。リーキーガットの可能性も疑われます。
- Eosinophil Activation Protein 好酸球活性化タンパク質(EDN/EPX):細胞組織に対して高い傷害性の特性を有する活性化された好酸球から放出されるタンパク質のことを意味します。好酸球活性化タンパク質高値の場合は、アレルギー、炎症性腸疾患(IBD)、過敏性腸症候群(IBS)、機能性ディスペプシア、胃酸の逆流、腸管バリアの損傷・機能不全、腸内寄生虫などが疑われます。
- Calprotectin カルプロテクチン: 白血球から分泌されるタンパク質です。高い場合、腸の粘膜への好中球浸潤(炎症)が疑われます。カルプロテクチンは、炎症性大腸炎の診断とモニタリングにおけるマーカーでもあり、過敏性腸症候群(IBS)と炎症性大腸炎とを区別するのにも使用されます。
- Zonulin ゾヌリン(リッキーガットマーカー):GI-MAP便検査では、リーキーガットオプションとして、ゾヌリンというタンパク質を測定できます。
ゾヌリンとは、タイトジャンクションを形成する分子の一つで、リーキーガットが高まると血液中に増加します。つまり、ゾヌリンが高ければ、リーキーガットが起きていることがわかり、対処が必要ということになります。 - 検査キットを購入し、検査キットに含まれる説明書に従って、便を採取して、保存液に入れます。
- 便サンプルを検査キットに入れて封をし、検査キットに含まれる返送用ラベルを貼り付けます。
- 返送用ラベルが貼られた検査キットを発送します。
- 検査結果が出るまでに約1ヶ月要します。
- GI-MAP検査(便):79,200(税込)
- GI-MAP検査(便)+ゾヌリン(リーキーガットの指標):89,100
- 本検査は医薬品医療検査等法上の承認を得ていないため、医療保険制度は使用できません。自費診療となります。
- 当院はCalifornia Nutrients会社を通じて行っています。
GI-MAP®
GI-MAP®(GI Microbial Assay Plus~qPCRテクノロジーによる便中DNA検査)は、・腸管の病原体、・ピロリ菌、・寄生虫、・腸内細菌のバランス、・真菌、・消化吸収能力、・消化酵素、・腸管免疫、・腸の炎症、・リーキーガット(オプション)などを検査することが可能な、総合的な消化管検査です。
特に細菌、真菌、ウイルス、寄生虫は、qPCRを使って定量化します。これは、陰性か陽性かの報告しかされていなかった従来の方法からの大きな飛躍で、便1g中に存在するコロニーを形成する能力のある単位数(CFU/g)を使って報告されます。1CFUは、おおよそ1つの微生物(あるいは1つの細胞)に相当します。結果は、標準的な科学的表現で表されます。
例えば3.5e7は、3.5 x 107CFU/gに相当し、35,000,000 CFU/gあるいは、便1gあたり3500万個の微生物数が存在する、となります。
GIMAP検査がおすすめの方
GIMAP検査は、以下のような方におすすめです。
GI-MAP検査でわかる事
GI-MAP検査マーカー1:病原体
GI-MAPでは、腸の感染症や不具合を引き起こす可能性のある微生物として、細菌、寄生虫、ウイルスの3種類の病原菌を測定します。
Pathogens病原菌
PARASITIC PATHOGENS 寄生性病原体
VIRAL PATHOGENSウイルス性病原体
H. Pylori ヘリコバクター・ピロリと病原性因子
世界の人口の約50%がヘリコバクター・ピロリを保菌しているという最近の研究結果が出ています。多くの保菌者が無症状ですが、ヘリコバクター・ピロリは、潰瘍、慢性胃炎、胃がんの原因として知られています。
また、コロニー形成の初期段階において、患者は低塩酸症、続いて胃酸過多への変化を経験する可能性があります。
図:ヘリコバクター・ピロリ病原性因子と病気との関連
重要なことは、胃内視鏡検査や呼気検査、血液検査を行ってピロリがいない、と言われている場合においても、GI-MAP検査で検出されることができ、これにより不調の原因をあぶりだすことができる、ということです。
■ピロリ菌毒素の影響
*重金属がピロリ菌に与える影響
よってピロリの状態悪い場合は、重金属を考慮します。その場合オリゴスキャン検査を行います。
■ピロリ除菌と抗生剤の選択
数字とアルファベットをミックスしたものは、ヘリコバクター・ピロリの薬物体制に関わる一塩基変異多型(SNPs)あるいは遺伝子標的です。
SNPsが検知される(存在する)と、ヘリコバクター・ピロリ株は、そのクラスの抗生物質に耐性を示すということです。
上記の例でいうと、患者のヘリコバクター・ピロリは、クラリスロマイシンクラスの抗生物質に耐性を示しているので、治療方法をカスタマイズする場合は、違う抗生物質を使用するほうが賢明だと考えられます。
■ピロリは除菌すべきかどうか?
Dr. Martin Blaser (医師、微生物学者):
「さらなる研究によって、ヒトが長年の伴侶であるピロリ菌なしでより良い状態になるかもしれないと示されるかもしれませんが、私は現在、H.pylori菌の多様性や人間との相互作用についてあまりにも知識が不足しているため、その完全な排除を推奨することには反対します。」
Dr.Amy Rolfsen(自然療法医):
「ピロリを完全根絶しなくても数を減らすだけで、・炎症の減少 ・胃酸分泌の正常化 ・胃粘膜の回復 ・免疫応答の正常化 ・感染の二次的影響の減少(栄養吸収など)などが可能です。除菌するかどうかはピロリ関係の症状が強いときのみ行うことを推奨します。」
以上を踏まえて、現在の基本方針としてはピロリは基本的に治療しないが、量が多い&毒性因子があった場合のみ除菌する、としています。
治療
・胃粘膜保護(前準備)→抗生剤
*除菌の副作用を防ぐために、胃粘膜保護をしてから除菌する。
*TOP down approachも考え順番としては、寄生虫・ピロリ→カンジダ→日和見菌の順で除菌します。
●COMMENSAL BACTERIA 共生細菌(正常細菌叢)
正常細菌叢とは、消化器系に住む細菌のことで、健康に有益な働きをするものが多いです。
正常細菌叢は、消化や免疫のサポート、ビタミンや短鎖脂肪酸の産生、病原菌の排除など健康を維持するために重要な細菌です。 GI-MAP便検査では、正常細菌叢の中でも代表的なものを測定します。
例えば、バクテロイデス、ファーミキューテス、アクチノバクテリアなどの細菌門や、ビフィドバクテリウム、ラクトバチルスなどの属です。
GIMAP便検査では、正常細菌叢のDNAを特定し、その量や、バランスや多様性も評価します。
●BACTERIAL PHYLA 細菌門
グラム陰性のバクテロイデス門と、グラム陽性のファーミキューテス門。ファーミキューテス門の数値が高く、バクテロイデス門の数値が低い(F/B率)の場合、細菌のバランスが崩れており、食事からのカロリー吸収の増加、脂肪蓄積、インスリン感受性の低下、炎症悪化に関連していると考えられます。
●opportunistic/overgrowth microbes 日和見細菌/異常増殖細菌
便中に存在している日和見細菌は、ほとんどが無害で正常であると考えられています。
ほとんどの方は、日和見細菌と接触しても症状を発症することはありません。
しかし、免疫が低下した一部の方においては、高いレベルで日和見細菌に接触すると、胃腸炎や炎症を引き起こすことがあります。
例えば、炎症や漏出性腸症候群、食物不耐性、自己免疫疾患などの原因となることがあります。
GI-MAP便検査では、日和見菌の中でも代表的なものを測定します。
■腸内細菌叢のバランス異常と細菌異常増殖
■共生細菌の異常増殖
■炎症と自己免疫疾患に関与する細菌
■炎症と自己免疫疾患に関与する共生細菌(日和見菌)
*腸内細菌に影響を与える有害物質
〇毒素と腸内細菌の関係
メチル水銀は善玉菌を減らし、悪玉菌を増やすことで、βグルクロニダーゼを増やし、さらに有害物質を増やすようになります。よって腸内の細菌叢の乱れが強い場合には有害金属のチェックが望ましいです。(オリゴスキャンなど)
●Fungi/Yeast 真菌/酵母
真菌の異常増殖は大きな問題になりますが、GI-MAPはやや真菌感受性が低いと考えられています。よって、真菌感染が疑われる方には、真菌の異常増殖の全体像を理解するために、尿中のアラビノースや酒石酸などの追加的検査ができる有機酸検査の併用が良いです。
■マイコトキシン(カビ毒)
■カンジダ感染の症状
●VIRUSES ウイルス
*EBウイルス:関節リウマチや、SLE、シェーグレン症候群、多発性硬化症、橋本病などとの関連があります。
●PARASITES 寄生虫
寄生虫は、宿主に住み着き、宿主生物の栄養を餌にしながら生きる生物です。 GI-MAPは、消化管で最も一般的に発生する病原性寄生虫と原生動物(一部は非病原性)を検査します。再感染を防ぐために、暴露源を特定して排除する必要があります。
■PROTOZOA 原虫
■WORMS 蠕虫(ぜんちゅう)
GI-MAP検査マーカー2:INTESTINAL HEALTH MARKERS 腸の健康マーカー
●GIMAPの検査方法
検査費用
*どちらも英語で結果が返ってきますが、医師が結果を解釈し、アドバイスを行います(再診料のみ別途3300/10分)