善玉菌カクテル注腸療法

    善玉菌カクテル注腸療法

    こもれびの診療所では、腸内に善玉菌を回復させ、腸壁を再構築するために、オゾン注腸療法後、ビフィズス菌3種、乳酸菌9種の善玉菌に酪酸をカクテルにして、注腸するという治療を併用しています。

    オゾン注腸療法で腸管内の血流を改善した状態で、大腸内に善玉菌をダイレクトに投与することにより、善玉菌定着率の上昇及び消化管内の改善が期待されます。

    なお善玉菌の一般的な役割としては

    • 腸壁を強化し、腸の透過性を低下させる
    • 血流に入ると危険な炎症分子LPS(リポ多糖類)を減少させる
    • 脳の成長ホルモンであるBDNF(脳由来神経栄養因子)を増加させる
    • 全体のバランスを保ち、有害な細菌群を排除する

    などがあげられます。
    また、それぞれの特記すべき効能がいくつか論文ベースで報告されているので、ここでご紹介したいと思います。

    乳酸菌(糖を分解して50%以上の乳酸を作り出す菌の総称)

    ①ラクトバチルス・プランタラム

    キムチなどの発酵野菜に含まれます。
    腸壁を強化し、侵入者が腸壁を弱くして血流に流れ込むのをブロックする際のサポートをします。
    さらに、脳に優しいオメガ3脂肪酸、ビタミン群、抗酸化物質など重要な栄養を吸収して維持するという働きも持ちます。
    (P. Ducrotte, P. S et al. World J Gastroenterol 2012)

    ②ラクトバチルス・アシドフィルス

    ヨーグルトなど発酵乳製品に含まれます。
    善玉菌と悪玉菌のバランスを保ち、それにより免疫系を支えます。
    女性の体内ではカンジダの増殖を抑えてくれます。また小腸内で病原菌と闘う多くの有益物質を産生します。
    この他、牛乳を消化するのに必要なラクターゼや、血液を健康に凝固させるビタミンKを生成します。
    (“Lactobacillus acidophilus,” University of Maryland Medical Center, Medical Reference Guide online)

    ③ラクトバチルス・ブレビス

    ピクルスなどに含まれます。
    細胞の免疫力を高め、キラー細胞を活性化させて、免疫機能を改善します。
    また脳の成長ホルモンであるBDNFの分泌を増加させる作用も持ちます。
    (Lactobacillus brevis,” ケニオン大学MicrobeWikiウェブサイト)

    ビフィズス菌(糖を分解して、乳酸よりも多くの酢酸を作り出す菌)

    ④ビフィドバクテリウム・ラクティス

    ヨーグルトなどの発酵乳製品に含まれ、消化不良の予防や免疫力の向上に有効であることがわかっています。
    特に免疫力改善においては、抗体価が大きく上昇したという報告があります。
    また、下痢を引き起こすサルモネラ菌など、食物由来の病原菌を死滅させるのに役立つことでも知られています。
    (“Bifidobacteria,” Medline Plus)
    ・軽度の消化器症状をもつ女性の症状改善(Marteau, Neurogastroenterol Motil, 2013)
    ・妊婦への投与により胎児の腸の自然免疫遺伝子発現プロファイルを変化させ、胎児および胎盤の免疫機構の調節に有効であった(Rautava, Neonatology, 2012)
    ・便秘の被験者に対し、10億個28日 間摂取させたところ、プラセボ群と比較して排便頻度が有意に増加した(Ibarra, GUT MICROBES, 2018)
    ・機能性胃腸症状のある被験者に対し、 14日 間摂取させたところ、プラセボ群と比較して消化菅の通過時間が有意に短縮(Wailer, Scand J Gastroenteroi, 2011)

    ⑤ビフィドバクテリウム・ロングム

    生まれたときに体に住みつく最初の細菌のーつです。
    乳糖耐性を改善し、下痢、食物アレルギー、病原菌の繁殖を防ぐことにも関係しています。また抗酸化作用やフリーラジカルを除去する力があることでも知られています。
    なおマウスでの実験では、この細菌に不安症を軽減する効果が見られており、さらに複数の研究で、この結腸のがん細胞の成長を抑え、がんの発症率を下げる可能性も報告されています。
    (“Bifidobacterium longum, ” ケニオン大学MicrobeWikiウェブサイト)

    酪酸菌

    ⑥宮入菌

    腸に届いた食物繊維を発酵・分解することで短鎖脂肪酸の一種、酪酸を作り出します。
    腸内粘膜上皮細胞が必要とするエネルギーの約60~80%は酪酸でまかなわれており、大腸が正常に機能するためには必須の物質です。
    それ以外にも、腸内フローラの健康状態キープする役割を持つため、善玉菌と一緒に投与することに非常に大きな意味を持ちます。
    なおビフィズス菌が作り出す酢酸も短鎖脂肪酸の1種です。短鎖脂肪酸は腸内の改善はもちろん、全身の免疫細胞、中枢及び末梢神経系、炎症、代謝などでも重要な働きをしていると考えられている。
    (Gut. 2004)(J Gastroenterol. 2012)

    その他含まれる善玉菌

    ⑦ラクトバチルス アシドフィラス菌
    ・結腸で便秘に関係するミューオピオイド受容体のmRNAおよびタンパク質の発現、ならびに下流のシグナル伝達を誘導することで内臓感受性を低下させ、機能性胃腸障害患者の腹部膨満症状を軽減(Ringel-kulka, Ailment Pharmacol Ther, 2014),
    ・摂取後も生菌の状態で腸内に到達し、 そこで腸内有害細菌を抑制する(瀧口,腸内細菌学雑誌, 1997)
    ・下痢を引き起こす細菌の増殖を抑制することや、腸内細菌の接着阻害試験、抗菌活性試験から腸内に存在する多くの有害菌を減少させる可能性が示されている(石田, Japanese Journal of Lactic Acid Bacteria, 2001)
    ・5歳未満の子供によく見られる感染症を予防および治療する際、下痢の期間を短縮させること等、乳酸菌の小児への影響についてはレビューとしてまとめられている(Malagon - Rojas, Nutrients, 2020)
    ⑧ストレプトコッカス サーモフィラス菌
    ・抗酸化能により大腸炎の改善効果に関与(Ito, 2008)
    ・ビフィズス菌(Bifidobacterium lactis)、植物由来乳酸菌(Lactobacillus plantarum)、ヒト由来乳酸菌(Lactobacillus acidophilus)と比較して、ヒト結腸上皮細胞の粘膜バリアとにより胃腸の健康を改善する有望な可能性を示す(Shastri, Microorganisms, 2020)
    ・腸通過中に活性を維持し、有益な細菌の増加と病原性をもつ細菌の減少に関連していることが報告(Savard, International Journal of Food Microbiology, 2011)
    ⑨ビフィドバクテリウム ブレーベ菌 ⑩ラクトバチルス アシドフィラス菌 ⑪ラクトバチルス カゼイ菌 ⑫ラクトバチルス ファーメンタム菌 ⑬ラクトバチルス ヘルベティカス菌 ⑭ラクトバチルス パラカゼイ菌 ⑮ラクトバチルス ロイテリ菌 ⑯ラクトバチルス ラムノーサス菌

    なお、これらは同時にサプリで内服もお勧めしていますが、フィルターで浄化した水で摂取しないと、塩素などの化学物質が、有益なプロバイオティクスの菌まで殺してしまうので、浄水器などを使うことをお薦めしています。また善玉菌たちは食物繊維を餌として活発になります。よって積極的に野菜をとるようにしてださい。

    投与方法
    基本的にはオゾン注腸後に体位変換しながら、大腸全体に浸透させていきます。時間とすると10分程度です。

    副作用
    特に問題になる副作用はありません。投与後排便感がある程度です。

    治療間隔
    オゾン注腸療法に準じます。

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