冷え性外来

    冷えが体に及ぼす影響は多岐にわたり、生理的な機能の低下や病気のリスク増加につながります。
    以下、冷えが体に引き起こす代表的な問題を挙げます。

    • 血流の低下: 体が冷えると血管が収縮し、血流が悪くなります。これにより、手足の末端部分への血液供給が不十分になり、冷えを感じやすくなります。
    • 免疫機能の低下: 体温が下がると免疫系の機能も低下し、感染症にかかりやすくなる可能性があります。
    • 筋肉のこわばりや痛み: 冷えによる血流の低下は、筋肉の緊張やこわばりを引き起こし、場合によっては痛みを伴うことがあります。
    • 関節痛: 冷えが関節周囲の血流を悪化させることで、関節痛やリウマチの症状を悪化させることがあります。
    • 消化機能の低下: 体が冷えると消化器系の血流も低下し、消化機能が弱まることがあります。これにより、胃腸の不調や食欲不振を引き起こすことがあります。
    • 代謝の低下: 体温が下がると基礎代謝も下がり、体重増加のリスクが高まることがあります。
    • 生理不順: 女性の場合、冷えはホルモンバランスに影響を与え、生理不順や生理痛の原因になることがあります。
    • 不眠症: 体が冷えると寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりすることがあります。
    • 皮膚の問題: 冷えによる血流の低下は、皮膚の乾燥や荒れ、色素沈着を引き起こすことがあります。
    • 心血管系のリスク増加: 長期的な冷えは血管の収縮を引き起こし、高血圧や心血管系の疾患のリスクを高めることがあります。

    つまり、冷えは万病のもとであり、健康維持、または不調の改善のために対策は必要不可欠となります。

     

    こもれびヒートセラピー

    当院では、万病のもと「冷え」に対して、「ラジオ波」、「遠赤外線」、「交流磁気」、「漢方薬」という近代と古代の叡智を組み合わせた「こもれびヒートセラピー」で、根本的な冷えの解決を図ります。

    1)ラジオ波治療

    ラジオ波とは、電磁スペクトラムの一部であり、周波数が非常に低い(通常は30 kHzから300 GHzの範囲)電磁波です。
    電磁波という言葉に心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、人体に悪影響があるのは電離放射線で、ラジオ波は非電離放射線で電波の一種となりますので心配いりません。
    なお、ラジオ波の歴史は古く、1892年にフランスで高周波治療器を用いた施術が始まり、1960年に創傷治癒効果・血行促進・血腫の分解等に有効であることが認めら1989年には、日本でも大手メーカーから家庭用高周波治療器発売が販売されています。
    現在では、ラジオ波治療はすでに多くの医療分野で利用されています。例えば、美容皮膚科では肌の引き締めやリフティング、整形外科では慢性的な痛みの管理、腫瘍治療ではがん細胞の破壊に利用されています。その安全性と効果の高さから、当院では冷え症の治療や、腹部の治療に応用しています。

    ラジオ波の働き

    ラジオ波を医療に応用する際の主な働きは、体内での熱の発生による治療効果です。
    ラジオ波エネルギーが体内の組織に当たると、組織内の分子が振動し、この分子運動が熱エネルギーに変換されます。
    この熱は、病変部位の修復を促進したり、痛みを軽減したり、血流を改善したりするのに役立ちます。

    ラジオ波の熱発生原理
    • 電極とアースで体をはさみ、+極と-極を1秒あたり数十万回変化させて体内の分子を振動させ、ジュール熱を発生させることで体を温めます。
    • 抵抗のある所に集まる性質があり、凝り固まった筋肉や血流が悪いところに反応します。
    • 体外から熱を与えるのではなく、体内で熱を発生させ、深部の加温をします。

    ラジオ波四肢温熱療法

    ラジオ波電極を四肢に装着し、アースを背中に配置します。電極で挟んだ場所の全てに熱を通すことができるので、手、足から躯幹のアースにかけて首から上以外、すべて加温できます。
    なお、治療時間は30分程度なのですが、その後数時間は温かさが持続します。さらに繰り返すことで、体が冷え切らない、冷えてもすぐに温まる、という状態に体が変わっていきます。

     

    2)遠赤外線治療

    遠赤外線は、太陽光の中に含まれる波長が4~1,000マイクロメートルの赤外線の一種です。遠赤外線が体内の水分、タンパク質、脂肪などを振動させ、その摩擦熱で体を温めるためことができるため、皮膚表面だけでなく、体内深部まで温めることが可能です。
    ラジオ波と同様に表面ではなく、内部を温めることが可能なので、相乗効果でさらに体の深部を温めることができます。

    遠赤外線の効能

    遠赤外線には以下の効能が報告されています。

    • 血行促進:体の深部まで温めることで血管が拡張し、血行促進が期待されます。
    • 新陳代謝の向上:体温が上昇すると、新陳代謝アップ→老廃物の排出が促進され、体の回復力が期待されます。
    • 免疫力の向上:体温上昇により、免疫細胞の活動が活発になり、免疫力が期待されます。
    • リラクゼーション効果:温かさにより副交感神経が優位になり、リラックス効果が期待されます。
    • 疼痛の緩和:温熱効果により、筋肉や関節の痛みが緩和され、慢性的な痛みに対して効果が期待されます。
    • 美肌効果:血行促進により肌に栄養が行き渡りやすくなり、美肌効果が期待されます。
    • デトックス効果:体温が上昇し、発汗が促進されることで、体内の毒素が期待されます。

    図:ドーム型遠赤外線装置
    図:ラジオ波四肢温熱とドーム型遠赤外線装置併用

     

    3)漢方治療

    当院では、冷えの状態に合わせて漢方を処方します。代表的な冷え治療の漢方としては、以下のようなものがあります。

      • 人参湯: 人参、生姜、大棗、甘草

    特徴: 体全体の虚弱を改善し、体力を回復させる効果があります。特に疲労感が強い時や食欲不振時に効果的です。
    使い分け: 「お腹の冷え」に特に効果的です。胃腸の働きを助け、消化機能を強化し、内側から温める効果があります。

      • 苓姜朮甘湯: 茯苓、乾姜、朮、甘草

    特徴: 水分代謝を促進し、余分な水分を排出する効果があります。体内の冷えと湿を取り除く作用が特徴です。
    使い分け: 「下半身の冷え」に適しています。特に水分代謝の不調による下半身の冷えやむくみに効果的です。

      • 当帰四逆加呉茱萸生姜湯: 当帰、桂皮、芍薬、細辛、呉茱萸、生姜、木通、大棗、甘草

    特徴: 血行を促進し、体を温める効果があります。特に冷えによる痛みや不快感を和らげるのに効果的です。
    使い分け: 「手足の冷え」に特に有効。手足の末端まで血液が行き渡り、温める効果があります。

     

    こもれびヒートセラピーのまとめ

    1. 手足から躯幹までラジオ波の熱を一斉に流します~四肢だけではなく全身を温めることができます。
    2. 下半身に遠赤外線をプラスし、温まりにくい下肢を温めます~脚の筋肉は腕よりも大きいため、同じ時間ラジオ波を行った場合、腕より温かさを感じづらい傾向があります。特に冷えが強い、筋肉が固い状態では、脚が温まった実感が薄いです。ここを遠赤外線ドームで温めることで、下半身温熱をスムーズに行うことができます。
    3. 漢方薬で温かさを持続させます~温かさを保持できるように、冷えの状態に合わせて漢方薬を処方し、体質そのものを冷えにくい体に変えます。

    注意事項

    1. ペースメーカー装着、電子インプラント、妊娠中またはその可能性のある方は禁忌です。
    2. 抗凝固薬を服用中、皮膚疾患を示す可能性の高い高齢者、ニッケルまたはクロムアレルギー、内部感染や膿瘍のある場合には、医師にご相談ください。
    3. 施術直後に車の運転、精密さを必要とする業務、過度のトレーニングをする場合には、施術をお断りするか、これらの活動を控えていただくことがあります。
    4. 副作用:全身の血行促進による湯あたりのような反応が出る場合があります。眠気、倦怠感、喉の渇きなどが出やすい症状ですが、一過性のものですのでご安心ください。また、これらの症状が見られた場合には、次回の施術時間や熱量の調整をします。
    5. 治療費用:11000円(30分 漢方代含む)
    6. ラジオ波及び遠赤外線装置は医薬品医療機器等法上の承認を得ていないため、医療保険制度は使用できません。自費診療となります。

     

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