疲労外来(慢性疲労症候群 /筋痛性脳脊髄炎(ME:Myalgic Encephalomyelitis)」)

    慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome:CFS)/筋痛性脳脊髄炎(Myalgic Encephalomyelitis:ME)

    原因を総合的に評価し、正常化を目指す~ミトコンドリア機能の回復を軸としたカスタマイズ治療を実施し、効果的なアプローチを提供する

    「朝起きられない」、「1日中元気がない」、「疲れているのに眠れない」、「集中力が足りない」、「頭にずっとモヤがかかっているような感じがする」などの症状で困っていませんか?
    これらは総称して「疲労系疾患」と言われるものです。
    典型的な症状としては以下のようなものがあげられます。

    1. 持続的な疲労感
    2. 筋肉痛や関節痛
    3. 集中力の低下や記憶力の低下
    4. 過敏性、過剰な刺激感、感覚過敏
    5. 不眠、睡眠の浅さや質の低下
    6. 頭痛、めまい、立ちくらみ
    7. 性格の変化、イライラや不安感の増加
    8. 食欲の低下、消化不良、下痢などの消化器系の問題
    9. 冷え性、手足のしびれや痛み
    10. 免疫力の低下による風邪やインフルエンザなどの感染症の増加

    これらの症状を総合した一般病名は「慢性疲労症候群」と言われます。

     

    慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)とは?

    慢性疲労症候群(CFS 別名ME)は以下の4つの症状を6ヵ月以上持続/再発を繰り返す場合に診断されます。
    (ただしコロナウイルス感染後やコロナワクチン後遺症としての疲労は6か月未満でも医師が早めに判断してよいと考えられています)

    1. 休息しても回復しない強い倦怠感を伴う日常活動能力の低下
      *回復に時間がかかり、数時間/数日数週間かかる
      *フルマラソン走っていた人が5㎞しか走れなくなっても活動低下と判断(つまり個々のこれまでの元気度から判断する)
    2. 活動後の強い疲労/倦怠感
      *活動後の強い疲労感の発症は、数時間から数日後に出る場合もある。なお、その際の疲労感は、以下の基準の3以上(つまり3~9が適応)となる
      0

      倦怠感がなく平常の社会生活ができ、制限を受けることなく行動できる

      1

      通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、疲労を感ずるときがしばしばある

      2

      通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、 全身倦怠感の為、しばしば休息が必要である。

      3

      全身倦怠感のため、月に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である *1

      4

      全身倦怠感の為、週に数日は社会生活や労働ができず、 自宅にて休息が必要である。 *2

      5

      通常の社会生活や労働は困難である。軽労働は可能であるが、 週のうち数日は自宅にて休息が必要である。 *3

      6

      調子のよい日は軽労働は可能であるが、 週のうち50%以上は自宅にて休息している。

      7

      身の回りのことはでき、介助も不要ではあるが、 通常の社会生活や軽労働は不可能である。 *4

      8

      身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、 日中の50%以上は就床している。 *5

      9

      身の回りのことはできず、常に介助がいり、 終日就床を必要としている。

      疲労・倦怠感の具体例(PSの説明)
      *1 社会生活や労働ができない「月に数日」には、土日や祭日などの休日は含まない。また、労働時間の短縮など明らかな勤務制限が必要な状態を含む。
      *2 健康であれば週5日の勤務を希望しているのに対して、それ以下の日数しかフルタイムの勤務ができない状態。半日勤務などの場合は、週5日の勤務でも該当する。
      *3 フルタイムの勤務は全くできない状態。
      ここに書かれている「軽労働」とは、数時間程度の事務作業などの身体的負担の軽い労働を意味しており、身の回りの作業ではない。
      *4 1日中、ほとんど自宅にて生活をしている状態。収益につながるような短時間のアルバイトなどは全くできない。ここでの介助とは、入浴、食事摂取、調理、排泄、移動、衣服の着脱などの基本的な生活に対するものをいう。
      *5 外出は困難で、自宅にて生活をしている状態。日中の50%以上は就床していることが重要。

    3. 睡眠障害、 熟睡感のない睡眠(病初期は日中の過眠が多い)~つまり睡眠の問題を抱えている
    4. 右記のいずれかを認める
      (
      ) 認知機能障害:ブレインフォグ 
      () 起立性調節障害:起立時に身体や脳への血流が低下する病気。自律神経が関わり、朝になかなか起きることが出来ない、全身倦怠感、頭痛、立ちくらみなどの症状が起こる

     

    ●慢性疲労症候群(CFS/ ME)の原因~慢性疲労症候群の原因トップ10

    ― なぜ強い疲労が続くのか ―

    慢性疲労症候群(CFS / ME)は、単一の原因ではなく、複数の要因が重なって起こることが多い状態と考えられています。
    「休んでも疲れが取れない」「朝起きられない」「頭が働かない(ブレインフォグ)」
    このような症状の背景には、体のエネルギー代謝や免疫、自律神経などのバランスの変化が関係していることがあります。
    こもれびの診療所では、次のような要因を総合的に評価しています。

     

    ① ミトコンドリア機能低下(エネルギー工場の低下)

    私たちの体のエネルギーは細胞内工場であるミトコンドリアで作られるATPエネルギーによって生まれます。
    慢性疲労の患者さんでは、ミトコンドリア機能不全が見られ、そのためにATP産生低下、エネルギー代謝の低下、が見られることがあります。
    その結果、強い疲労、運動後の強い疲労(PEM)、集中力低下などが起こります。

     

    ②副腎機能の低下(ストレスホルモン)

    副腎はコルチゾールというホルモンを作ります。
    このホルモンは、ドーピングで使われるくらい、パワーの強いもので、特に朝の覚醒、ストレス耐性、血糖、炎症制御、などに関係しています。
    慢性ストレスが続くとコルチゾールリズムの乱れ、朝起きられない、などが起こることがあります


    ③潜在性甲状腺機能低下症

    甲状腺ホルモンは体のエネルギー代謝をコントロールするホルモンです。
    慢性疲労の患者さんでは、T3低下、T4→T3変換低下、rT3増加などが見られることがあります。
    検査が基準値内でも分子栄養学的には甲状腺ホルモンの働きが十分でない状態が存在することがあり、これを見逃さないことが重要です。逆の言い方をすれば、潜在性甲状腺機能低下症は一般的にほぼものがされ、放置されています。

     

    ④ 自律神経の乱れ

    慢性疲労の患者さんでは、交感神経過剰、副交感神経低下、が見られることがあります。
    特に、POTS(起立性頻拍症候群)、OD(起立性調節障害)などが関係する場合もあり、これにより立ち上がった時のめまいやふらつき、動悸などが起こる人が良くみられます。


    ⑤ 慢性炎症

    慢性疲労症候群では、IL-6、TNF-αなどの炎症サイトカインが関係する可能性が指摘されています。
    炎症が続くと、脳疲労、強い倦怠感、が起こることがあります。


    ⑥ 腸内環境の乱れ

    腸は免疫と神経と解毒の中心とも言われています。
    慢性疲労の患者さんでは、SIBO、カンジダ、腸内細菌バランスの乱れ(酪酸不足が慢性疲労を引き起こすと報告)などが見られることがあります。
    これらは、炎症、栄養吸収低下、解毒処理の低下につながる可能性があります。

     

    ⑦ 慢性感染症

    慢性疲労症候群の背景として次のような感染症が関係する可能性が指摘されています。
    EBウイルス、ヘルペスウイルス、ライム病、バルトネラ、ヘルペス
    これらは免疫や炎症に影響する可能性があります。


    ⑧ 栄養不足

    エネルギー代謝には多くの栄養素が必要です。
    特に、鉄(ただし炎症時や潜在感染がある場合は不可)、ビタミンB群、ビタミンD、マグネシウム、亜鉛、などが不足するとミトコンドリアを含め、エネルギー産生が低下する可能性があります。

     

    ⑨ 解毒機能の低下

    肝臓はホルモン代謝、毒素代謝に、腸(便)は体内の解毒に関係しています。
    解毒機能が低下すると、疲労、脳疲労、などが起こる可能性があります。

     

    ⑩ 精神的ストレス

    慢性的なストレスは、副腎、自律神経、免疫に影響します。
    その結果体のエネルギーシステム全体に影響する可能性があります。
    また精神的ストレスを含めて種々の問題が脳に炎症を起こすと、ブレインフォグを引き起こし、これが疲労感として出現します。

     

    慢性疲労症候群の重要なポイント

    慢性疲労症候群は1つの原因ではなく複数の要因が関係していることが多い状態です。

     

    こもれびの診療所の考え方

    当院では慢性疲労を、① エネルギー(ミトコンドリア)、② ホルモン(甲状腺・副腎)、③ 自律神経・脳(ストレス)④腸、の4つをメインに、さらに残りの6つも考慮しながら、対応を考えていきます。

     

    慢性疲労症候群の検査

    ― こもれび式評価方法 ―

    慢性疲労症候群(CFS / ME)は、単一の原因ではなく複数の要因が重なって起こることが多い状態と考えられています。
    そのため、当院では「なぜエネルギーが作れなくなっているのか」
    という視点から、体のさまざまな状態を総合的に評価しています。
    特に以下の3つの軸を中心に検査を行います。
    ① エネルギー代謝(ミトコンドリア)
    ② ホルモン・自律神経
    ③ 免疫・炎症・感染
    これらを評価するために、次のような検査を組み合わせて行います。

     

    ① 血液検査~体の基本状態を確認する検査

    血液検査は、体の状態を把握する最も基本的な検査です。
    当院では、一般的な検査に加えて、エネルギー代謝や栄養状態の視点から評価を行います。

    主な評価項目

    • 甲状腺機能:TSH fT3 fT4 必要に応じてrT3(逆T3)
      栄養状態(エネルギー産生に関わる栄養素):鉄 フェリチン ビタミンB群 ビタミンD ビタミンA 亜鉛 マグネシウム
      炎症・免疫:CRP 白血球分画 免疫指標(CD4 CD8) ネオプテリン 可溶性インターロイキン-2レセプター フォン・ウィルブランド因子活性 アルブミン/グロブリン比など
    • 消化力:種々の消化酵素
    • 血流:総ホモシステイン フィブリノゲンなど

     

    ② 有機酸検査

    ミトコンドリア機能の評価

    有機酸検査は、尿を用いて体のエネルギー代謝の状態を評価する検査です。
    特に次のような代謝経路を確認することができます。

    ・TCA回路(エネルギー回路):ATP産生の中心となる代謝経路です。この回路の状態を評価することでミトコンドリア機能、エネルギー産生、の状態を推測することができます。


    ・腸内環境:有機酸検査ではカンジダ、悪玉菌、腸内発酵、などの影響を示唆する指標を見ることが出来ます。さらにカンジダ等がミトコンドリアエネルギーの阻害をしていないかも推察することが可能です。

    ・脳内ホルモン:ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン(幸せホルモン)の3種を測定し、脳の状態を示唆します。

    ・解毒機能:血液側(肝臓)と便(腸)の2種の解毒状態を示唆します。またメチレーションという特殊な遺伝子解毒システムの稼働の有無を想定することもできます。

    ・特殊栄養:血液検査でみれないビタミンB群、C,H,コエンザイムQ10,NACなどを測定します。

     

    ③ ミネラル検査(オリゴスキャン)

    オリゴスキャンは体内のミネラルバランスを評価するための検査です。


    ・ミネラル:血液検査で見ることが可能なマグネシウム、亜鉛、銅などはもちろん、血液で見られないモリブデン、セレン、ケイ素、硫黄なども想定可能です。

    ・ビタミン類:体内ビタミンを測定できます。

    ・重金属の影響:カドミウム、水銀、アルミニウム、ヒ素など20種類の有害金属の筋肉内の蓄積状況を見てくれます。

     

    ④ 腸内環境の評価

    基本は有機酸検査でフォローしますが、あまりに腸の状態が悪く、腸内細菌バランス、SIBO(小腸内細菌増殖)、リーキーガットなどが疑われる場合は、腸の状態を評価する検査を行うことがあります。

     

    ⑤ ウイルス・感染症の評価

    慢性疲労の背景としてEBウイルス、ヘルペスウイルスなどの関与が示唆される場合があります。
    また近年では新型コロナウイルス感染後の体調不良、いわゆるLong COVIDの影響が考えられるケースもあります。このような場合には、コロナ関連抗体 水痘・帯状ヘルペスウイルス  単純ヘルペスウイルス (1→3)-β-D-グルカン EBV-EA-DR-IgG抗体 ライム病抗体 などを参考にしながら評価を行います。

     

    こもれび式検査の特徴

    当院では、慢性疲労を単一の検査だけで判断することはありません。総合的に評価しながらなぜ疲労が続いているのかという原因を探していきます。
    なお、すべての検査が必要になるわけではありません。症状や経過を踏まえながら医師が必要と判断した検査を提案し、予算などを考慮しながらともにベストの選択をしていきます。患者様の承諾なしに、こちらの都合のみで行うことは絶対にありません。

     

    慢性疲労症候群(CFS)の治療

    慢性疲労症候群(CFS/MF)発症の原因は一つではなく、いくつかの要因がはっきりしたら、それぞれに対して治療を行っていきます。

     

    CFSの原因1:慢性疲労とミトコンドリア治療

    慢性疲労症候群(CFS / ME)や原因不明の強い疲労の背景には、細胞のエネルギー産生の低下が関係している可能性があります。
    私たちの体のすべての細胞にはミトコンドリアと呼ばれる小さな器官が存在します。
    ミトコンドリアはしばしば「細胞の発電所」と呼ばれています。
    食事から得た糖や脂肪、酸素を使いながら体を動かすエネルギー(ATP)を作る働きをしています。
    心臓を動かすこと、脳を働かせること、筋肉を動かすこと、これらすべての基盤に、ミトコンドリアの働きがあります。

     

    ミトコンドリアと健康の関係

    ミトコンドリアは単にエネルギーを作るだけではありません。
    次のような体の重要な働きにも関係しています
    酸化ストレスの調整、細胞の修復、神経伝達物質、ホルモンバランス、免疫機能

    そのため、ミトコンドリアの働きが低下すると、強い疲労、集中力低下、脳の働きの低下(ブレインフォグ)、免疫バランスの変化、代謝の低下
    など、さまざまな不調につながる可能性があります。

     

    ミトコンドリアの仕組み

    ミトコンドリアのエネルギー産生は主に3つの仕組みから成り立っています。

     

    第一工場:TCAサイクル(クエン酸回路~水車型)

    栄養からエネルギーの材料(水素陽イオンとマイナス電子)を作る場所

     

    第二工場:電子伝達系(工場煙突型)

    5つの複合体(煙突)を使ってATP(エネルギー)を最終的に作る場所です。ミトコンドリアで作られたATPは体内で以下のような働きを行います。

    • 筋肉や筋などを収縮させる
    • 傷ついたDNA (遺伝子)の修復及びコピーをする
    • 食べた食べ物を分解、吸収し、筋肉や細胞などを新たに作る
    • 脳を働かし、記憶の整理をする
    • 神経で情報を伝達する
    • 血液や体液を作り流す
    • 免疫細胞を作製する
    • ホルモンや酵素の分泌を行う
    • 熱を産生する

     

    エネルギー運搬システム:NAD(運搬トラック型)

    第一工場と第二工場をつなぐ重要な役割を担います。さらに第一工場ともかかわります。
    慢性疲労では第一工場の低下、第二工場の効率低下、NAD不足などが関係する可能性があります。

     

    こもれび式ミトコンドリア治療

    当院では、ミトコンドリアの状態に応じて次のようなアプローチを組み合わせて検討します。

     

    ① エネルギー代謝のサポート

    ミトコンドリアのエネルギー産生には
    多くの栄養素が関わっています。

    例:ビタミンB群、マグネシウム、亜鉛、鉄、L-カルニチン、ビタミンC、グルタチオン、NAD
    これらはエネルギー代謝に関係する栄養素です。
    また電子伝達系を動かすためには、水素、酸素をはじめ、コエンザイムQ10、5ALA,メチレンブルー、マイナス電子供給機(プラズマパルサー)などを検査結果により組み合わせます。

     

    ② NAD代謝のサポート

    NADはエネルギー産生をつなぐ重要な分子として知られています。
    NADの材料となる物質としてNMN、ナイアシンなどが研究されています。
    これらは細胞のエネルギー代謝に関係する可能性が示されています。
    なお近年では、直接NADを点滴で入れることが可能になりました。これにより劇的なミトコンドリア回復が見られるようになっています。

     

    ③ 酸化ストレス対策

    ミトコンドリアが働くと副産物として活性酸素が生まれます。
    過剰な活性酸素はミトコンドリア機能に影響する可能性があります。
    そのため抗酸化栄養素、酸化ストレス対策、などを総合的に考慮します。


    ④ ミトコンドリアの新生(数を増やす)

    ミトコンドリアは種々の栄養素や生活習慣によって増える可能性があることが知られています。
    よって現在の状況を詳細に分析し、もっともよいミトコンドリア新生対策を行います。ミトコンドリア増加マニュアルも準備しています。

    下図は、ミトコンドリア増加作用をもつ栄養素などを論文ベースでまとめたものです。

     

    ミトコンドリア治療の目的

    ミトコンドリアのケアは単に疲労対策というだけではなく、エネルギー代謝、神経機能、免疫バランスなど、体全体の働きを支える存在です。
    慢性疲労症候群は単一の原因ではなく複数の要因が重なって起こる状態であることはお話ししました。しかしその中でも、特にミトコンドリアは、人間を構成する37兆個すべての細胞に含まれるエネルギー産生器官であり、ミトコンドリアの回復なしに疲労の改善はありません。よって当院ではCFSの最重要治療と位置付けています。

     

    特にブレインフォグが強い場合:(ヴィーライト)

    シトクロームC:シトクロームCはミトコンドリア電子伝達系を活性化させるのに必須の酵素なのですが、これが低下して、ブレインフォグが起こっている場合があります。これを活性化させるのがカナダで作られた脳内シトクロームC活性化機器「Vielight」です。驚くほどの脳活性力があり、ブレインフォグの治療に非常に有用であることが当院でも確認されています。

     

    ミトコンドリア疲労が強う場合に重要なNAD+(NMN):ミトコンドリアのTCA回路で作ったエネルギー物質水素イオンとマイナス電子を電子伝達系に運ぶ、長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性させる、体内で500以上の酵素を活性化させ体内のエネルギー産生を高める、など、ミトコンドリアだけでなく、体内にとってなくてはならないもの、それがNAD+です。

    また、NAD+はミトコンドリア以外に、体内で以下のような仕事を行います。

    以上より、当院ではミトコンドリア改善の切り札としてNMN、またはNADを点滴で利用しています。
    また、内服としてはNMNを利用しています。

     

    ミトコンドリア機能を下げるもの

    以下はミトコンドリア機能を下げるものなので、このようなことにもご注意ください。

    1. ストレス:ステロイドホルモンを多数分泌させることでミトコンドリア機能を停止
    2. 交感神経亢進:ATP過剰消費することでミトコンドリアを疲労
    3. 糖質過剰摂取:インスリン大量作成に伴うATP過剰使用によりミトコンドリアを疲労
    4. アルコール過剰摂取:肝臓での分解のためにATP過剰使用によるミトコンドリア疲労
    5. ウイルス感染:細胞内でミトコンドリア機能を下げることで免疫細胞の動きを停止させようとする(免疫とミトコンドリアは一心同体)
    6. 年齢:年齢によりミトコンドリアは機能、数、共に低下していく。よってとくに中年以降はミトコンドリアのケアは必須となる。

    これらはミトコンドリアの状況を悪化させる要素となりますので、これらにも注意するようにしてください。

    CFSの原因2:副腎疲労症候群(HPA軸障害)および反応性低血糖

    慢性疲労症候群の場合、副腎機能も非常に重要です。
    副腎とは腎臓の上に位置する約2~3cmの小さな三角形の臓器で、左右1対ずつあります。1つは約4~5g程度の小さな臓器ですが、人が生きるために必要なホルモンを分泌するとても大切な臓器です。
    とても小さい臓器にもかかわらず、私たちの元気に直結していますので、疲労の問題を抱える場合、この点も注意してみる必要があります。
    なお、日本では正式な病気と認知されているものではなく、通常行われている医療の中では治療の対象とはされておりません。アメリカにおいては、30年以上前から、このような病態があることが示され、種々の検査や治療法が導入されています。したがって、日本国内においては、この副腎疲労症候群について認知している医師が所属する医療機関のみで、検査や治療が行われていることをご理解いただくことが必要です。原則、検査や治療は自費となります。

    詳しくはユーチューブ「こもれびの診療所」の「副腎疲労シリーズ1~12」でお話していますのでぜひそちらもご参照下さい。

    心療内科 心療内科

     

     

    副腎疲労(アドレナルファティーグ)症候群(HPA軸障害)

    副腎とは

    心療内科

    副腎は、左右の腎臓の上にあるピラミッド型をした臓器です。

    重さは5gととても小さいですが、コルチゾール、アルドステロン、性ホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリンなど生きるのに必須のホルモンを分泌することにより、心臓や血管の循環器系の調節、エネルギー産生(炭水化物代謝、血糖コントロール、タンパク質・脂質から糖新生)、免疫バランス維持、抗炎症、ストレスコントロールなど、身体にとって重要な働きをコントロールしています。

    心療内科

     

    副腎疲労の原因

    心療内科

    副腎疲労とは、反応性低血糖、人間関係などのストレス、慢性炎症、重金属・化学物質の蓄積、寝不足・運動不足といったライフスタイルの乱れなどが原因となり副腎の機能が低下した状態です。

    これによりホルモンバランスが乱れた結果、慢性的な疲労、精神不安、食欲不振、下痢、アレルギーなどの様々な症状が引き起こされます。

    なお副腎疲労は、正式な病気と認知されているものではないため、通常行われている医療の中では治療対象とはなっていません。よって保険診療の対象外となっています。しかしアメリカにおいては、30年以上前からこのような病態があることが示され、種々の検査や治療法が導入されています。よって当院においても、副腎疲労の検査の一部はアメリカの方に直接送って判定しています。

     

    副腎疲労の診断

    心療内科

    これらの症状の2つ以上あれば、副腎疲労を考慮します。

    副腎疲労の検査としては

    1. 14日間連続24時間血糖検査(こもれびの診療所)
    2. オリゴスキャンに伴う有害重金属検査・必須ミネラル検査(こもれびの診療所)
    3. 血液検査(日本国内)
    4. 唾液中副腎ホルモン日内変動検査(米国)
    5. 尿による有機酸検査(米国)

    などがあり、これらを適宜組み合わせながら診断していきます。
    なお、反応性低血糖がある場合は、そちらを最優先で改善させていきます。なぜなら、反応性低血糖がある限り、副腎疲労の回復はなく、はた反応性低血糖そのものも、疲労や精神の不安定さを導くからです。

    ●反応性低血糖
    反応性低血糖は、慢性疲労症候群や副腎疲労で問題になる疲れやすい・集中力がない・イライラが続く・気分が塞ぐ・感情を抑えられない等の直接原因になります。
    これは、氾濫する過剰な糖質や刺激物、ビタミンやミネラルが失われた保存料漬けの食品、常に競争や不眠を強いられる社会的ストレス等により血糖コントロールが不安定になり、様々な身体的・精神的症状が引き起こされた状態です。
    特に問題になるのが、糖質過剰後に起こる低血糖症状です。これに伴い、冷静な思考・判断が難しくなります。またその際に防護策として分泌される血糖上昇ホルモンは、ダイレクトに感情面へ影響を及ぼします。
    初期症状としては、疲労感・不眠・集中力の低下・頭痛・神経過敏・不安・恐怖感・めまい・拒食や過食等ですが、悪化すると感情がコントロール出来なくなるばかりか、発作的に泣く・暴れる・精神錯乱・幻聴・幻覚・自傷行為・自殺観念など、顕著な精神症状を呈します。
    また、この現象は、副腎疲労の原因にもなり、それによりますます症状が複雑かつ難治性になっていきます。
    このような症状が出た時、通常は “心の病”と判断され、精神科や神経科にて、向精神薬などが処方されます。しかし、抗精神病薬を内服しても解決しない人は非常に多く、実はその背後に、反応性低血糖が隠されていることが少なくないと考えます。
    なお反応性低血糖症は薬で治すのではなく、食事の改善(生活指導)をベースに必要に応じてサプリメントを必要に応じて使うことにより回復を目指します。

    副腎疲労ステージ分類

    副腎ホルモンは以下のように様々なものがあります。

    心療内科

    この中で、副腎皮質と呼ばれる部分から分泌される“コルチゾール”と“DHEA”の2種類のホルモン測定し、以下の症状と組み合わせてステージ分類を行います。

    ステージ1(通常適応):ストレスによって、コルチゾールとDHEAの両方が増加する。通常無症状
    ステージ2(早期代償不全):コルチゾールは上昇するが、DHEAは減少する。ストレス感、不安発作、気分変動などの症状が出現
    ステージ3(晩期代償不全):コルチゾールとDHEAの両方が低下する。この状態になると疲労感梅雨くなり、うつと診断されることが多い

    どのステージにおいても、基本的に必ず行われるのが低血糖対策を含めた食事指導と、運動、睡眠などの生活習慣対策です。それに加えて必要に応じてストレス対策や有害金属排泄を促すデトックスなどが取り入れていきます。
    ただし、ステージ3、晩期代償不全まで進むと、疲弊が強く、日常生活も妨げられてしまいます。その場合、積極的な回復治療を必要とします。

    当院では

    • 点滴~疲労回復点滴
    • 栄養分析後、各患者様ごと唯一無二の栄養療法を提案、実践~栄養補給・消化機能改善・食酸化力アップ・ハーブ類・ホルモン補充(DHEAなど)、その他(黒ガリンガル NAC グルタチオン CBDオイル)
    • 脳自律神経回復治療(副腎は脳の視床下部ー下垂体とかかわるため脳の治療は必須)~YNSA・Vielightなど

    を状況に応じて行います。

    元気が出ない、集中力がない、ぐっすり眠れない、不安感が強い、疲労感が取れない、などで苦しんでいる方は、ぜひ一度、反応性低血糖及び副腎の改善を試みてください。
    一人でも多くの方の笑顔が戻るように私たちも全力を尽くします。

     

    CFSの原因3:潜在性甲状腺機能低下症

    潜在性甲状腺機能低下症とは明らかな甲状腺機能低下症ではないが、ホルモンの働きが十分でない状態を指します。
    一般的な健康診断では見逃されることも少なくありません。


    甲状腺ホルモンの仕組み

    甲状腺ホルモンには主に2種類があります。

    T4(サイロキシン):ホルモンの材料.体の中で変換される前の形
    T3(トリヨードサイロニン):実際に働く活性型ホルモン
    体内ではT4 → T3に変換されて初めてエネルギーとして利用されます。


    問題になるのは「変換」

    この変換は肝臓、腎臓、筋肉、脳などで行われます。
    しかし次のような状態では変換が低下することがあります。
    変換を妨げる要因~慢性ストレス 炎症 栄養不足 肝機能低下 感染 慢性疲労 重金属や毒素

    その結果T4はあるのにT3が足りないという状態が起こることがあります。


    rT3(逆T3)の存在

    甲状腺ホルモンにはもう一つrT3(逆T3)というホルモンがあります。
    これは働かない甲状腺ホルモンであり、T3の働きを妨げる可能性があります。
    慢性疲労の患者さんではT3低下 + rT3増加というパターンが見られることがあります。


    こもれび式評価

    当院では次の視点から甲状腺機能を評価します。
    基本検査:TSH fT3 fT4 必要に応じてrT3
    その他:栄養状態、副腎機能、炎症マーカー、などを総合的に評価します。


    ③治療薬~天然甲状腺薬の考え方

    甲状腺機能低下症の治療には、いくつかの方法があります。
    一般的には医薬品T4製剤(チラージン)が使用されます。


    T4治療の特徴

    チラージンはT4(ホルモンの材料)を補う薬です。
    体内でT4 → T3に変換されて初めて働きます。
    しかし慢性疲労などの状態ではこの変換が十分に行われない場合があります。


    天然甲状腺ホルモンという選択

    当院では必要に応じて天然甲状腺ホルモン製剤を基本使用します。
    この製剤にはT4、T3が自然な形で含まれています。
    そのため体内の変換に頼らず、ホルモンの働きを補える可能性があります。実際チラージンでは効果なくても天然甲状腺ホルモン内服に切り替えたとたん、元気になる場合があります。


    治療で大切なこと

    甲状腺ホルモンの調整は単独で行うよりも体全体のエネルギー代謝を整えることが重要です。
    当院では次の3つの軸を重視しています。
    こもれび式3つの軸① 甲状腺 ② 副腎 ③ ミトコンドリア
    これらを総合的に整えることで体のエネルギー状態を改善することを目指します。


    CFSの原因4:自律神経系(中枢神経含む)の異常

    副交感神経機能低下(相対的に交感神経亢進)、脳血流低下などの問題が指摘されています。当院では、YNSA、脳自律神経治療、ヴィーライト、経頭蓋的磁気刺激などをメインとして治療を行います。
    なお、脳血流のアップ対策として、低温サウナ療法がCFS改善に効果があったと多数報告されています。これに対して当院では「ラジオウォームセラピー」というラジオ波を使って全身を温めるという治療方法と、副交感神経を高めて全身の血流を改善させる「交流磁気治療」を組み合わせて改善に取り組んでいます。

    CFSの原因5:酸化ストレス

    これに対しては水素療法を中心に行っています。
    ちなみに水素の健康効果としては、以下のようなものが報告されています。

    • 活性酸素除去作用
    • 抗炎症作用
    • 血流促進作用
    • 創傷治癒を促す作用
    • 循環機能の改善作用
    • 免疫力を高める作用
    • エネルギー代謝の活性化作用(ミトコンドリアATP産生補助作用)
    • 副交感神経を優位にする作用
    • 抗アレルギー作用
    • 疲労回復作用 (筋肉中の乳酸抗炎症作用生成を減少させる)
    • 抗がん作用

     

    CFSの原因6:腸内細菌叢の異常

    慢性疲労症候群(CFS)においては腸内細菌叢の多様化の減少が報告されています。とくにリーキーガット(腸管壁浸漏)症候群には注意します。
    なお、当院は特に腸治療は精通しており、状況に応じて腸管リフォーム療法、ラジオ波温熱マッサージ、善玉菌移植など特殊な腸治療が可能です。

     

    ●慢性疲労症候群の基本的生活指針:
    「科学的根拠に基づく多角的なアプローチ」で確実な回復へと導く生活指導

    日常生活において以下のことを注意して下さい。(マニュアルあり)

    1)環境を整える

    (1)外部からの刺激を最小限にする:脳の疲労を防ぐため、 外部からの刺激を少なくしましょう。テレビ(特にニュース)、ゲーム、スマホ、インターネットは控えます。特に横になっているときや夜は控えましょう。
    (2)
    周囲の理解と協力を得る: 特に家庭が、口論や争い、気がね、緊張。 無理解の場でなく、休息、理解、そしてなぐさめの場になることが大切です。

    2) リズムを整える

    (1)夜のリズムを整える: 昼間は少しずつ動く。夜は休息する、そして眠る。夜のほうが楽でも、夜中に脳を使うことは慎むように。午後8時の体温が午後4時の体温よりも上がらない生活をして下さい。

    (2) 夕食は午後7時までにすませる:そうすると夜、内臓も休むことができます。

    3) 考え方と行動を整える

    (1)今の閾値(いきち:これをやったら数日寝込んでしまうという限界)を知り、閾値の範囲内で生活する。

    (2) 生活や価値観を社会モード(きりの良いところまでやる、疲れているけど悪いからがんばる、疲労を感じていても目標の達成や周囲の期待に応える、迷惑をかけないことに高い優先順位を置く)から体感モード(疲れはじめた、集中力がとぎれはじめた、などの体の声に従って休息する生活に高い優先順位を置く)に切り替える。

    (3) 日常生活のペース(話し方、考え方、歩き方、食べ方、不安や怒り、落ち込みなども)をゆっくり、ゆったりにする。

    (4)「疲れたら休もう」ではなく、「疲れる前に休む」ようにする。常に疲労感があるときには、疲労感が今よりひどくなる前に休む」よう心がける。

    (5) 体調の悪い日はじたばたしない。 良い日の活動量も体力の70%くらいにおさえる。

    (6)複数のことを一度にやろうとしない。ひとつひとつ解決していく。

    (7)脳のアイドリング(休んでいるときも考えごとをしている) を最小限にする。

    (8)脳は安静にして、体は毎日、少しずつ動かす。

    (9) ゆっくり起き上がる, ゆっくり立ち上がる。

    (10) メモ帳を持ち歩く。覚えておこうとしない。覚えるべきことは書きとめる。

    (11)自分なりの感覚過敏対策をする。

    (12) エネルギー (元気) の貯金をするという考え方を持ちましょう。

    4)あなたの中の主治医を育てる

    あなたをよく観察する、賢く休息を取る、体力を配分する、励まし支えることのできる、あなたの主治医を、自分自身の中に育てていくようにします。 病院にいるあなたの担当医は、その主治医に対して、より専門的なアドバイスをする指導医です。 指導医のアドバイスを、今のあなたの体力と生活の中で、どう工夫すればよいのか一番知っているのは、あなたの中の主治医です。無理のない方法を工夫し、実行してきましょう。

    ●最後に

    慢性疲労症候群からの回復は簡単ではありません。
    しかし、必ず回復に向かうものでもあります。
    焦らず、ゆっくり自分をいたわりながら前に進んでください。ちょっと頑張りすぎて症状が悪化した場合は、一時的に活動の強度や頻度を下げ、十分な休息をとり、十分な水分と栄養を摂り、リラクゼーション技法や深呼吸、瞑想などを取り入れてストレスを軽減させることに時間を使ってください。

    CFSの人は頑張り屋で、人に気を使い生きてきた人が本当に多いです。
    そして、無理を繰り返してきた結果が今の疲労になっています。
    だから、今は、いい人になろうとせず、自分の事のみ考えてください。
    人に迷惑をかけていいので、とにかく生きることを選択してください。

    必ず、この苦労の先に光はあります。
    焦らず、ゆっくりゆっくり前に進んでほしいと願っています。
    そして苦しいときは、一人で頑張らず、私たちにその苦労を一緒にしょわせてください。

    あなたの笑顔を祈っています。

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