アレルギー外来

    アレルギー性鼻炎

    アレルギー性鼻炎

    「アレルギー性鼻炎」とは、鼻の粘膜に入った異物を排除しようとする反応が過剰に起こり、主に鼻水、鼻づまり、くしゃみといった鼻炎症状が続く状態をいいます。

    「鼻アレルギー診療ガイドライン2020」の疫学調査報告によれば、アレルギー性鼻炎の有病率は2019年度で49. 2%、つまり日本人約6000万人がアレルギー性鼻炎を持っているということです。

    なお、この20年間でアレルギー性鼻炎患者は約20%(2400万人)も増加しています。増加の原因としては体質に加えてストレス、食生活、大気汚染、日常をとりまく化学物質の増加などが考えられており、現代病の一つと考えられています。

    アレルギー性鼻炎の原因

    アレルギー性鼻炎

    「アレルギー性鼻炎」の原因(抗原)として最も多いのは花粉で、成人患者の約90%が花粉症といわれています。なかでも多いのがスギ花粉症。次いでイネ科花粉症、ブタクサ花粉症の順となっています。このほかにも「アレルギー性鼻炎」を起こす花粉は一年を通じて飛散しています。

    アレルギー体質の人は複数の抗原に過敏反応を示す傾向があるため、一年中なんらかの花粉症の症状に悩まされる人も少なくありません。 その他、ハウスダスト(家の中のホコリ)やカビなども鼻炎の原因となります。

    一般的には、毎年同じ季節なら花粉症、一年中ならハウスダストの可能性が高いと考えます。

    アレルギー性鼻炎の症状

    • 鼻と目の両方に症状がある
    • 鼻症状:鼻水、鼻づまり、くしゃみなど
    • 目症状:アレルギー性結膜炎としてのかゆみ、発赤、涙目など
    • 鼻症状:耳の奥にかゆみがある
    • のど症状:かゆい、イガイガする、のどが乾燥して痛い
    • 全身:倦怠感

    アレルギー性鼻炎の治療

    漢方治療

    当院では、漢方を専門的に勉強してきた院長が、これまでの知識と経験により、一人一人に最適な漢方を処方しています。

    なお処方に関しては、同じアレルギー性鼻炎でも多数あります。1例とすると以下のようなことなどを考慮に入れて処方します。

    処方選択のポイント(標治療法)

    体質を“冷えタイプ(寒証)”と“熱タイプ(熱証)”“寒熱中間タイプ”に区別する

    寒証タイプ

    くしゃみ、水様性の鼻水、寒冷刺激を受けると症状がひどくなる、夏でも温かい飲み物を好む、冷房苦手

    熱証タイプ

    鼻詰まりや粘度の高い黄色い鼻水、充血を伴う目のかゆみ、温熱刺激を受けると症状がひどくなる、冬でも冷たい飲み物を好む、暑がり

    処方選択のポイント(本治療法)

    アレルギー

    東洋医学では、本治と標治という考え方があります。
    本治とは、その疾患の原因を根本的に治す治療、標治とは、今ある症状を改善させる治療(対処療法)です。

    つまり、上の表にある漢方は標治のための漢方です。アレルギー体質を変えるための本治療法は、まず食事です。最低限、冷飲食や甘い物を避けることをお願いしています。

    本治漢方の代表としては「補中益気湯」があげられます。これは、アレルギー性鼻炎を引き起こす素因(水毒)を、脾・肺の気虚と考え、この気虚に対して気を補い改善させる=アレルギー性鼻炎の体質そのものを改善させる、と考えるため本治療法となります。

    通常は保険診療での漢方薬で対応可能と考えます。

    ① サラサラ鼻水型
    花粉症の代表的なタイプ。色もなく透明な鼻水がとめどなく出て 漢方では「肺」の中心に冷えがあると考え、「肺」を温める作用 の漢方薬が使用されます。
    小青竜湯、麻黄附子細辛湯など

    *鼻水と鼻づまりの両方を伴う場合~保険診療の漢方では葛根湯加辛夷川キュウ。当院では麗沢通気湯加辛夷を保険外で処方します。

    2 ネバネバ鼻水・鼻閉型
    鼻づまり、ネバネバした鼻水、黄色い鼻水、温まると悪化するという方の処方。 漢方では「熱(炎症)」と「乾燥」があるととらえ、熱を去り、潤す漢方薬が使用されます。辛夷清肺湯、荊芥連翹湯など。

    その他:目のかゆみ~洗肝明目湯  皮膚のかゆみ~黄連阿膠湯(ただし卵の卵黄を含むので注意)

    アレルギーWブロック療法

    こもれびの診療所オリジナルの鼻腔内改善治療です。古くから使われ、安全性と効果が実証された二つの薬剤、ヒスタグロビンとノイロトロピンを当院オリジナルに配合し、鼻腔内に直接吸入することで炎症及びアレルギー症状の改善を試みる、古くて新しい治療法です。

    これらの薬剤は、アレルギー体質を根本的に改善して症状を治す薬剤であるため、東洋医学でいう「本治療法」になります。

    鹿児島大学耳鼻咽喉科教室の報告では、この2剤の鼻腔ネブライザー投与により有効率81.9%と非常に高い効果を示していました。当院ではこの論文報告をもとに、“Bスポット療法”と併用させることで、さらに高い効果が期待されています。

    →Wブロック療法について、詳しくはこちら

    上咽頭擦過療法(EAT 旧名Bスポット療法)

    Bスポット療法

    日本オリジナル治療で、50年以上の歴史のある治療です。

    収れん作用(止血、鎮痛、防腐、殺菌作用)を持つ1%塩化亜鉛溶液を染みこませた綿棒をウイルスや細菌、花粉などが最も反応しやすい上咽頭に滑り込ませ、この部位の炎症をとることで、鼻炎を改善させていきます。

    東洋医学でいう「標治療法」ではありますが、自律神経調節作用など様々な効果も持つため「本治療法」的な効果も期待できます。

    →上咽頭擦過療法(Bスポット療法)について、詳しくはこちら

    幹細胞上清吸入

    様々な疾患で使われる幹細胞上清液ですが、当院ではこれを点鼻する治療方法を取り入れています。
    500種類以上のサイトカイン / ケモカイン、成長因子、エクソソームなどに期待しての治療なのですが、現在、非常によい報告を多数受けており、可能性のある治療方法の一つと考えています。

    幹細胞上清療法について、詳しくはこちら

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