重曹点滴療法【ガン補助療法】

    当院は、日本臨床先進医療研究会に所属し、研究会のマニュアルにのっとった重曹点滴療法を行っています。

    この治療を始めたきっかけは以下の2つです。

    一つ目は、世界的権威のある科学誌『ネイチャー』に膵臓ガンの発生に真菌(カビ)が関与している可能性がある、という論文が掲載されたことです。腸管腔から膵臓に移動した真菌が膵管腺ガンの発症に関係していることが示唆される、つまり、腸内の真菌が膵臓ガンを発症させている可能性が示されたわけです。

    2点目は、『ガンの新しい治療法』という本に出合ったことです。これは外科医として40年以上にわたってガン治療にあたっているトゥリオ・シモンチーニ博士(外科医、腫瘍学博士・哲学博士)によって書かれた本で、ガンの発症理由を「真菌」と考え、その対策として「重曹点滴療法」を行い、高い治癒率を報告していました。

    なぜ重曹に効果があるのか?

    幹細胞上清療法

    重曹は、塩化ナトリウムを電気分解して得られた水酸化ナトリウムに二酸化炭素を加えて作られた強アルカリの物質です。実は、真菌は塩とアルカリ性にたいへん弱い性質のため、重曹により、真菌の消去が可能であると考えられています。
    それ以外に、がん細胞が周囲を酸性化することで増殖、転移しているのに対して、重曹点滴は強いアルカリ作用でがん周囲を中性化することで、増殖、転移を抑える、という機序を報告している先生もいらっしゃいます。

    幹細胞上清療法

    ちなみに、この重曹点滴療法のガン治療において、シモンチーニ博士よりも数十年以上早く実践し、成功を報告している国がありました。それは日本です。なんと昭和30年代、大阪大学長谷川高俊先生が、悪性腫瘍の入院患者35名に対して重曹点滴療法が行い、ほぼすべての患者に対して良好な結果を残し、特にその中の20名に対しては著効だったと報告していたのです。
    論文の中で長谷川先生は「併用療法としてすべてのガン患者に対して行うべき治療法である」とまで述べています。

    異なる時代と場所で、重曹点滴療法がガン治療に対して行われ、ともに著効を記録していたことは非常に興味深いことです。

    古くて新しいガン治療法である「重曹点滴療法」をきちんと検証し、効果を見極めながら、苦しむ患者さんの助けになることを切に願っています。

    *重曹点滴の副作用:命にかかわるようなものはなく、頭痛や血管痛が認められる程度で安全に使用できます。

    投与方法

    ●基本投与方法
    ・通常は点滴。重曹250mlの場合は通常約50分、500mlの場合は約100分で投与します。ただし、対象者の状況に応じて投与速度を緩徐にして対応します。
    ・その他特殊な投与方法
    上咽頭や鼻腔のがん:重曹吸入を行います。

    ●投与間隔:トゥリオ・シモンチーニ博士は、1クール6回連続を隔週としており、当院でこの通り行う場合は5日投与、5日休みとしています。ただし、通常外来で、そのような投与法は現実的に無理なので、当院では週1回から2回程度を継続している方が多いです。

    ●投与量:トゥリオ・シモンチーニ博士は最大量の500mlを推奨していますが、5%重曹を利用しております。当院の場合は、7%重曹を利用してるため、計算上は約350mlで同量の重曹が入る計算です。また小柄な人の場合は20%程度減量の400ml程度でよいとされていますので、小柄な方は250mlでよいと思われます。
    それを踏まえて当院では以下を基本として行います。

    以上を踏まえて
    ・50㎏未満:重曹点滴 250ml (22,000)
    ・50㎏以上~60㎏未満:重曹点滴 250~350ml*尿検査判断
    ・60㎏以上:重曹点滴 350ml (25,300)

    使用上の注意

    1. 重曹点滴療法はがん治療の補助療法としての治療であり、現在日本先進医療研究会を通じての症例集積研究であること。
    2. 本研究は自費診療となり健康保険は利用できないこと。
    3. 重曹点滴処置は6回を1クールとすること。
    4. 料金は1クール6回132,000円に、別途診察料や検査料などが計上されること。なお500mlにアップした場合は1クール6回165,000円となること。
    5. 治療開始前後に血液検査・尿検査のチェックが必要であること
    6. 重曹点滴開始後、急激にガンが壊れる腫瘍崩壊症候群のリスクがあること。仮に腫瘍マーカー値が大きく上昇する場合は、効きすぎによる腫瘍崩壊速度を抑えるため休止期間を入れることがあること。
    7. 重曹が血管外へ漏れ組織の炎症・壊死を起こすことがある。その場合は速やかに抜去、クーリング等の処置により対応する必要があること。
    8. 点滴投与を継続していくにしたがって、血管が脆くなりやすく、状況に応じてCVポート増設などを考慮していただく場合があること。
    9. (併用注意)高濃度ビタミンC点滴との併用は、必ず30分以上の間隔を空けて投与すること。
    10. (併用禁忌)Na 過多による心停止等のリスク回避のため点滴時には重曹飲用・重曹浣腸を併用しないこと。
    11. 心疾の患者様は心不全のリスク、腎不全や腎臓が片側のみの患者様は電解質異常のリスクがあるたね、医師と相談の上、重曹の是非を検討する。

    なお詳しくは『日本先進医療臨床研究会ホームページ』をご参照ください。

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