重曹点滴療法【ガン補助療法】

    がんの補完代替医療の中で近年、重曹点滴が注目を浴びています。

    その理由は2点、重曹には「真菌を殺せる」という作用と、「体内を安全にアルカリ化に導く」という作用があることです。

    なぜ重曹に効果があるのか?

    幹細胞上清療法

    『ガンの新しい治療法』世古口裕司著、トゥリオ・シモンチーニ監修(現代書林)

    ■重曹ポイント1:真菌除去作用
    世界的権威のある科学誌『ネイチャー』に膵臓ガンの発生に真菌(カビ)が関与している可能性がある、という論文が掲載されました。簡単に言うと腸管腔から膵臓に移動した真菌が膵管腺ガンの発症に関係していることが示唆される、つまり、腸内の真菌が膵臓ガンを発症させている可能性がある、というものです。

    その点に注目し、実際に重曹を使った治療で除真菌を行い多くのがん患者を救った先生がいます。

    それが『ガンの新しい治療法』の執筆者であり外科医として40年以上にわたってガン治療にあたってきたトゥリオ・シモンチーニ博士(外科医、腫瘍学博士・哲学博士)です。シモンチーニ先生の報告では、実際にがん患者さんに重曹点滴を行うことで、高い治癒率を報告しています。
    *重曹の除真菌作用:重曹は、塩化ナトリウムを電気分解して得られた水酸化ナトリウムに二酸化炭素を加えて作られた強アルカリの物質です。真菌は塩とアルカリ性にたいへん弱い性質のため、重曹により、真菌の消去が可能であると考えられています。

    幹細胞上清療法

    『重曹ががんを消す!:「がんアルカリ療法」の基礎と実践法』福田一典 ()

    ■重曹ポイント2:アルカリ化作用

    重曹の強アルカリ作用もまたがん治療にとって重要な作用です。がん細胞は自己周囲を酸性化することで正常細胞を排除し、また免疫を司る免疫T細胞の動きを止めることで増殖、転移を行います。これに対して強いアルカリ作用を持つ重曹点滴を行うと、がん周囲が中性化され、増殖、転移の抑制が期待されます。

    ■重曹治療を世界で初めて行った国日本
    重曹点滴を使ってのガン治療において、シモンチーニ博士よりも数十年以上早く実践し、成功を報告している国がありました。それは日本です。なんと昭和30年代、大阪大学長谷川高俊先生が、悪性腫瘍の入院患者35名に対して重曹点滴療法が行い、ほぼすべての患者に対して良好な結果を残し、特にその中の20名に対しては著効だったと報告しています。

    論文の中で長谷川先生は重曹点滴療法に対し「すべてのガン患者に対して行うべき治療法である」とまで述べています。

    異なる時代と場所で、重曹点滴療法がガン治療に対して行われ、ともに著効を記録していたことは非常に興味深いことです。

    古くて新しいガン治療法である「重曹点滴療法」をきちんと検証し、効果を見極めながら、苦しむ患者さんの助けになることを切に願っています。

    *重曹点滴の副作用:命にかかわるようなものはなく、頭痛や血管痛が認められる程度で安全に使用できます。

    投与方法

    ●投与間隔:トゥリオ・シモンチーニ博士は、1クール6回連続を隔週としており、当院でこの通り行う場合は5日投与、5日休みとしています。ただし、通常外来で、そのような投与法は現実的に無理なので、当院では週1回から2回程度を継続している方が多いです。

    ●投与量:トゥリオ・シモンチーニ博士は最大量の500mlを推奨していますが、5%重曹を利用しております。当院の場合は、7%重曹を利用してるため、計算上は約350mlで同量の重曹が入る計算です。また小柄な人の場合は20%程度減量の400ml程度でよいとされていますので、小柄な方は250mlでよいと思われます。
    それを踏まえて当院では以下を基本として行います。

    以上を踏まえて
    ・50㎏未満:重曹点滴 250ml (22,000)
    ・50㎏以上~60㎏未満:重曹点滴 250~350ml*尿検査判断
    ・60㎏以上:重曹点滴 350ml (25,300)

    使用上の注意

    • 重曹点滴療法はがん治療の補助療法としての治療であり、現在症例集積研究であること。
    • 本研究は自費診療となり健康保険は利用できないこと。
    • 治療開始前後に血液検査・尿検査のチェックが必要であること
    • 重曹点滴開始後、急激にガンが壊れる腫瘍崩壊症候群のリスクがあること。仮に腫瘍マーカー値が大きく上昇する場合は、効きすぎによる腫瘍崩壊速度を抑えるため休止期間を入れることがあること。
    • 重曹が血管外へ漏れ組織の炎症・壊死を起こすことがある。その場合は速やかに抜去、クーリング等の処置により対応する必要があること。
    • 高濃度ビタミンC点滴との併用は、必ず30分以上の間隔を空けて投与すること。(ビタミンCと重曹が酸、アルカリの関係で反応を打ち消す可能性があるため。別日がベストだが併用の場合は、重曹が先、30分後ビタミンC)
    • Na 過多による心停止等のリスク回避のため点滴時には重曹飲用・重曹浣腸を併用しないこと。
    • 心疾の患者様は心不全のリスク、腎不全や腎臓が片側のみの患者様は電解質異常のリスクがあるため、医師と相談の上、重曹の是非を検討すること。

    なお詳しくは『日本先進医療臨床研究会ホームページ』をご参照ください。

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