コロナ関連外来

    2020年より新型コロナ感染症により「コロナ感染後遺症」に苦しんでいる方々が急増しています。

    症状としては(複数回答あり)
    1)倦怠感(40%)
    2)息切れ(36%)
    3)嗅覚障害(24%)
    4)不安(22%) 
    5)咳(17%) 
    6)味覚障害(16%)
    7)抑うつ(15%)
    その他には痛み(関節痛・筋肉痛)、消化器症状(下痢・腹痛)などが報告されています。

    それに加えて2021年からは、コロナワクチン接種の後に、様々な体調不良、すなわち「ワクチン副反応」に悩まされている方も増えてきています。
    ワクチン接種後の症状はさらに多彩で、全身倦怠感を基本に、不眠、不安、めまい、痛み(頭痛・全身痛)、動悸、息切れ、味覚・嗅覚障害、脱毛、集中力の低下など、コロナ感染後遺症と同等のものから、基礎疾患の増悪、歩行困難、食欲不振に伴う体重減少などの訴えまで様々なものがあります。

     

    コロナ感染後遺症およびワクチン副反応外来の受診対象となる方

    • 一連の症状発生後1か月以上が経過していること
    • 発熱や咽頭痛など「急性症状」が沈静化していること
    • 画像診断で、肺炎などの疾患が否定されていること
    • 直近のワクチン接種から1週間以上が経過していること

     

    コロナ感染後遺症およびワクチン副反応外来の診療内容

    これらの後遺症対して、こもれびの診療所では1300以上報告のあるもので特に多い以下の5症状をメインに対応しています。

    1)全身倦怠感、易疲労感:ミトコンドリア機能障害・副腎疲労・慢性疲労症候群・潜在性甲状腺機能低下症・貧血などの症状
    2)めまい・鬱・不安:中枢疾患系の異常に伴う症状
    3)円形脱毛症、蕁麻疹、膠原病様症状(リウマチ・自己免疫性自律神経節障害など):自己免疫の異常に伴う症状
    4)自律神経(迷走神経)障害:自律神経の異常に伴う症状
    5)帯状疱疹・ベル麻痺・がんの再発:免疫の低下に伴う症状

    ワクチンの基本病態は以下のものを考えます。

    1)スパイク蛋白の存在により起こる事:免疫低下・自己免疫疾患
    2)スパイク蛋白によるACE2受容体の破壊の影響:・ミトコンドリア機能不全 ・内皮細胞障害による血栓症
    3)ワクチンに含まれる不純物の影響(ポリエチレングリコール・酸化グルフェンなど):・中枢神経損傷 ・内臓・生殖器・血液・細胞(ミトコンドリア・DNA)の炎症及び損傷に伴う細胞死 ・細胞内プラス電荷による酸化

    改善のための基本治療ターゲットとしては以下をベースに行っています。

    1. ミトコンドリア機能の回復
    2. 副腎機能の回復
    3. 体内の解毒
    4. 体内の活性酸素除去
    5. 慢性炎症の治療(慢性上咽頭炎を含む)

    さらに当院では、20226月より、6番目の「コロナワクチン後遺症治療」としてFLCCCが発表したコロナワクチン後遺症における治療プログラムをプラスしております。
    *FLCCCFront Line COVID-19 Critical Care Alliance):2020年に一流の救命救急専門医によって結成された、コロナワクチン後遺症に対する治療プログラムの開発に取り組んでいる非営利団体

    ただし、ワクチン後遺症の症状は千差万別であるため、病態機序や臨床的観察など、個別の症状に合わせて対応していく必要があり、画一的治療方法だけでは改善が難渋する例が多々あるました。
    そこでFLCCCの治療にプラスし、有志医師の会での定期的なワクチン後遺症勉強会、先進医療研究会でのセミナー、世界から随時発表される論文、ミトコンドリア関連の資料、そして実際の患者さんたちの治療を行っていく中での経験などをプラスして、2023年、さらにブラッシュアップされたコロナワクチン後遺症の治療方法が完成いたしました。
    それは、文字で説明するよりは映像と解説が加わったほうが分かりやすいのではと思い、前半、後半の2本の映像を作りました。
    こもれびの診療所では、ワクチン後遺症をどのように考え、またその不具合に対してどのように治療していくのか、この映像を見ていただければと思います。
    また、この中には、こもれびの診療所が遠くて通えない方、また自費診療は金銭的に難しい、という方たちのお役にも立ちたいという思いも込めて、自分でできる購入できるサプリメントや、日常セルフケアとして行えるデトックス、ミトコンドリア改善方法、抗酸化方法などもご説明しています。
    ワクチン後遺症で苦しむ人にとって、少しでも光になればという思いを込めました。
    どうか、ワクチン後遺症で苦しむ方、今は苦しいと思いますが、必ず道は開けると信じています。
    この映像が、少しでも苦しもの中の光になることを祈っております。

     

    1)ミトコンドリア機能の回復

    ミトコンドリアとは、人間の38兆個全ての細胞がもつエネルギー産生小器官です。このミトコンドリアが機能不全に陥ると、エネルギー産生が滞り体の元気は失われます。よって疲労回復にはミトコンドリア機能の回復が必須条件となります。
    また、ワクチン接種において、ワクチンに使用されているmRNAを輸送する脂質ナノ粒子、PEGや、生成されるスパイク蛋白によりミトコンドリア機能不全になるリスクが「コロナワクチンの解毒法 2021年 コスモ21」などにより警告されています。よって、ワクチン後遺症の問題に対してもミトコンドリア機能の回復は非常に重要となっています。

    1)疲労回復点滴:ミトコンドリア機能改善のために必要なのは、良質な糖(フルクトースとブドウ糖)、ミネラル(マグネシウムなど)、ビタミン(B群、C)などの栄養素です。
    なお、これらは健康な状態ではサプリメントの内服でも悪くはないのですが、機能不全にまで陥った場合は、腸内吸収も困難なため、点滴で量とバランスを考えての投与でないと効果が得られないため、疲労の強い場合は積極的にこれらを混在している疲労回復点滴を行っていきます。

    2)クエン酸:クエン酸もエネルギー改善には非常に有効です。
    ・疲労回復効果:ミトコンドリアのクエン酸回路を促進させることによりエネルギーを生み出し、疲れやすい体を活性化させます。また疲労原因の乳酸を減少させることで疲労回復を促進します。
    ・胃消化能力改善:食欲増進効果、酸味により唾液腺や胃酸を刺激して唾液や胃液分泌促進効果があります。また飲食物の殺菌効果も持ちます。
    ・代謝促進効果:エネルギー代謝を促進する効果があり、脂肪燃焼をサポートします。
    ・抗酸化作用:体内の活性酸素を抑制し、細胞をダメージから守ります(抗酸化作用)。
    ・酸性体質改善効果:クエン酸そのものは酸性ですが、十二指腸に入ると膵臓から出るアルカリ性の重曹と化学反応を起こし、クエン酸ソーダとなってアルカリになることで体内のpHバランスを整え、酸性体質改善に効果を表します。
    ・ストレス緩和効果:抗ストレスホルモンを放出する副腎の機能を改善させ、ストレス緩和効果を発揮します。
    ・免疫改善効果:クエン酸には、免疫力を安定させる効果があります。

       

      2)副腎機能の回復

      副腎は体内で様々なホルモンを産生し、健康な状態を維持する大切な臓器です。
      しかし副腎は、ウイルス感染などによる炎症、感染後のストレス、化学物質や重金属などの体内蓄積により機能不全に陥りやすいとされます。つまり、コロナ感染やワクチン接種後、機能不全(副腎疲労)を起こす可能性が高いという事です。

      実際副腎疲労の症状としては

      1)朝起きられない、2)夜眠られない、3)立ちくらみ、4)集中力の低下、5)性欲の格段の低下、6)神経過敏、7)慢性的な痛み、筋肉痛

      などがあげられ、今回の後遺症に見られる症状と非常に類似しています。

      よって、この副腎機能の回復も非常に大事な治療になります。
      その時、ポイントになるのが「ビタミンC」です。副腎は体内の中で最もビタミンCを必要とする臓器です。
      例えば血管に含まれるビタミンCをレモン1個分(20㎎)と考えると、脳は20個、白血球 は80個分に対して副腎はなんとレモン150個分のビタミンCを必要とします。つまり副腎の機能回復には大量のビタミンCが必要という事です。

      コロナワクチン副反応外来

      (副腎はビタミンCを大量に必要とする)

      ビタミンCは副腎の機能回復以外にも、「免疫システムサポート」、「抗酸化作用」などのプラス作用もあり、コロナ感染及びワクチン後遺症治療において非常に重要なビタミンということが言えます。
      なお投与量ですが、成人では1日の推奨量が100㎎(2020年版食事摂取基準)と設定されています。しかしこれは健康な人が病気にならないための量であって、今回のようにビタミンCを治療的意味で使用する場合は、、この100倍~250倍の投与が必要と考えています。その場合は内服では腸からの吸収力の関係で困難であり、やはり点滴投与が必須と考えます。

       

      3)体内の解毒

      コロナ後遺症に悩んでいる方は、体内に様々な有害物質が発生した可能性があります。
      よって、後遺症からの回復のために「解毒」という視点もとても大切です。
      当院では、以下の方法を駆使して、解毒を行ていきます。
      1)グルタチオン点滴:アミノ酸の一つ。別名システインペプチドです。コロナ解毒のキーとなる解毒治療です・
      代表的な効能
      I.デトックス作用~毒素や薬物に対してグルタチオン抱合を行うことで細胞外に排出
      II.肝臓機能改善作用~脂肪肝の解毒
      III.活性酸素除去作用~活性酸素(過酸化脂質)の95%減少
      IV.ストレス改善作用~グルタチオンが社会的ストレスの状態において有効
      V.美肌作用~皮膚のシミ成分であるメラニンを消去
      VI.肺機能強化作用~グルタチオンにより肺食細胞強化、肺機能正常化
      なおグルタチオンはワクチンに含まれる酸化グラフェンの排出が可能との報告もあります。

      2)αリポ酸点滴:抗酸化とデトックス作用を持つ栄養素です。血糖降下作用を持つため、とくに糖尿病を基礎疾患に持つ方は積極的投与が推奨されます。
      代表的な効能
      (1)活性酸素や一酸化窒素ラジカルなどのフリーラジカルを直接消去
      (2) グルタチオン、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化力を再生。なおαリポ酸は脂溶性と水溶性の両方の性質をもつので、ビタミンC(水溶性)とビ タミンE(脂溶性)のどちらの還元にも寄与
      (3) グルタチオンの合成酵素での産生を高め、グルタチオン産生に必要なシステインの細胞内取り込 みを促進し、グルタチオンの産生を高める
      (4) フリーラジカルを発生する鉄や銅などのフリーの金属イオンをキレート(結合)することによっ活性酸素の産生を抑える
      (5) 親水性と疎水性の両方の性質を持つため、細胞膜でも細胞質でも働き、蛋白質や脂肪など全ての細胞内成分の酸化も、血液中の物質の酸化も抑制する

      3)フルボ酸:もともと森林や土壌の中に存在する有機酸の一つで、数多くの栄養物質(有機酸、ミネラル、微量元素、酵素など)を含み、森を豊かに育む物質です。学術的に表現するなら、植物が土壌生物や土壌微生物によって分解されることで形成される最終生成物の腐植物質の中で、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸、となります。ただし、自然界では微量にしか生産されない貴重な資源で、通常は腐植土層(森林生態系において地上部の動植物により生産された有機物が堆積し、微生物により分解されて土状になったもの)に多く存在するのですが、自然界では1cm形成するのに百年の時間を要します。
      代表的な効果
      1)キレート作用:「キレート作用」とは、特定の金属イオンやミネラルと強力な結合を形成するプロセスの事です。簡単に言えば、カニの爪のように「はさむ」ということです。フルボ酸はこのキレート作用が強いのですが、特にすごい点は、体にとって必要な栄養素はキレートして体内吸収を促進する、一方体にとって不要なものはキレートして体外に捨てる、ということです。
      例えばサプリメントに使われている「鉱物性ミネラル」の体内吸収率は3%程度といわれます。しかしここにフルボ酸が加わりキレートした「フルボ酸ミネラル」はなんと95%前後が吸収されます。驚異的なミネラル吸収率です。
      ・論文『フルボ酸とフミン酸が組織中の鉄、マンガンに及ぼす影響』~フルボ酸摂取により鉄濃度上昇、「フルボ酸は鉄の供給源となることが示された=ミネラルの吸収を上昇させた」と結論。 (József Szabó, et al.2017
      逆に、有害金属などの余剰で不必要なものは同時に、強烈にデトックスしてくれます。
      2)抗酸化・抗炎症作用フルボ酸は抗酸化力も秀逸で体内で発生する活性酸素種やフリーラジカルなどの有害酸化分子を中和し、細胞を保護します。
      ・金属イオンのキレーション:ラジカルの生成を促進する金属イオンをキレートし、酸化反応を制御する役割を果たすことで、抗酸化、抗炎症作用を発揮します。
      ・論文『フルボ酸飲料のミネラルプロファイルと抗酸化能力』~8種類のフルボ酸で鉄の1日推奨摂取量(RDA)45135%摂取の報告。その他マグネシウム (RDA40)、マンガン(RDA70)、抗酸化作用のあるポリフェノールとフラボノイド含有の報告(Monika Swat, et al. 2019
      ・論文『慢性炎症性疾患および糖尿病におけるフルボ酸の治療効果~レビュー』~「フルボ酸が慢性炎症性疾患(たとえば糖尿病など)の予防に有効であることは確かにエビデンスがある」(John Winkler, et al. 2018
      その他、抗菌、抗ウイルス作用や腸免疫システムの改善(フルボ酸が腸内環境を改善することで、腸管免疫システムを改善し、体内の免疫状態の調整、改善をサポート)なども期待されています。

      4)コロナワクチン解毒漢方:中医学を専門とする木田正博先生のご指導で作られた漢方で、5種類の生薬(括楼実・丹参・莪朮・鶏血藤・全蠍)を含みます。シェディングの問題にも効果の可能性が報告されています。
      代表的な効能
      ・括楼実:袪痰~痰を動かし排泄する力を持つ
      ・丹参:活血化瘀。神農草本書より:心臓および腹部の邪気の治療薬
      ・莪朮:活血化瘀。さらに、行気・消積も持つ
      ・鶏血藤:活血化瘀、舒筋活絡(関節や筋肉をゆるめ伸びやかにし、気血の流れをよくする力)を持つ
      ・全蠍(ゼンカツ):補肝(肝の機能を高める。解毒力アップ)、通絡(体液や血液が隅々まで流れるようにする力)、滋養強壮などの作用を持つ
      *痰:身体のさまざまな部位で体液が粘く固まって動かなくなったもの
      *活血化瘀:停滞する血を動かし、体内の異物を排出する力
      *行気:体液や血液が隅々まで流れるようにする力
      *消積:体の中にたまった嫌なものを取り除く力

      5)イベルメクチン:FLCCCにてワクチン後遺症の筆頭治療薬に挙げられています。
      代表的な効能
      ・スパイク蛋白に結合しスパイク蛋白除去の促進
      ・ウイルス細胞内侵入阻止
      ・強力な抗炎症特性
      ・中和抗体増強
      ・炎症性・細胞障害性サイトカイン産生抑制
      ・サイトカインストームの抑制
      *なおワクチン後遺症の方は敏感なので少量でスタートする方が安全とされています。

      以上5つを解毒治療の基本とし、さらに様々な検査結果を踏まえて、ファスティングによるオートファジー、デトックスサプリメントとしてNAC ・ケイ素・αリポ酸、亜鉛、マグネシウムなど必要に応じてプラスαしていきます。

      4)体内の活性酸素除去

      活性酸素は、近年万病の元凶と考えられております。疾患の90%は活性酸素が起こす、とする説もあるほどです。

      コロナワクチン副反応外来

      今回の長期感染に伴う炎症やストレス、呼吸不全は、体内に大量の活性酸素を発生させたと考えて差し支えありません。
      よって今回の後遺症の回復のためには、活性酸素除去も非常に大切となります。
      これに対して、大いに期待できるのがビタミンCとグルタチオンです。これらは共に強い抗酸化作用(活性酸素除去作用)をもつため、これらの投与により、活性酸素を大いに減らすことで、健康な身体への回復を促してくれる可能性があります。
      なお、最初に出てきたミトコンドリアと副腎も非常に活性酸の影響を受ける場所なため、活性酸素対策は、ミトコンドリア、副腎対策でもあります。
      *水素:こもれびの診療所では活性酸素除去のために水素も推奨しており、多くの患者さんたちが水素吸入や水素風呂、水素水生成器などを利用しています。

      以上、1)ミトコンドリア機能の回復、2)副腎機能の回復、3)体内の解毒、4)体内の活性酸素除去という視点から考えた場合、良質な糖、マグネシウム、ビタミンB群、ビタミンC、グルタチオンがキーになることがわかりました。
      よって、こもれびの診療所では、これらを絶妙に配合した「疲労回復点滴」を準備し、毒素や活性酸素を体内から追い出し、ミトコンドリア、副腎の機能不全を回復するという戦略をとっています。

       

      5)慢性炎症の治療(慢性上咽頭炎)

      コロナワクチン後遺症においては全身の炎症が問題になります。理由としてはスパイク蛋白が考えられています。
      コロナのワクチン接種により生じるスパイクタンパク質は、食細胞に取り込まれて全身に炎症を起こすと考えられています。コロナのワクチン後に血管炎が起こる危険性があることは多くの研究者が指摘しています。また、特に若い男性に一定の確率で心筋炎が起こることも報告されています。ワクチンによって生じるスパイクタンパ ク質は血管内皮細胞にも入り込んで血管炎、血管収縮を引き起こし、それが原因で血栓ができて心筋梗塞や脳梗塞が引き起こされることもあると予想されています。 よって、スパイク蛋白の解毒やスパイク蛋白のACE2レセプターへの結合阻止が大切になりますが、同時に、スパイク蛋白により引き起こされる全身性の慢性炎症を抑えることが急務になります。
      1)水素:水素は抗酸化作用や、抗炎症物質生成により、全身の炎症を抑えることができます。よって、当院では積極的に水素の利用を試みています。

      2)Bスポット療法(EAT療法):新型コロナウィルス後遺症で見られる嗅覚障害、味覚障害、咳、抑うつ、疲労感などは、慢性上咽頭炎が引き起こしているのではないか、という指摘があります。
      上咽頭は、口蓋垂(のどちんこ)の向こう側の壁の上部分あたりで、この部分は、ウイルス感染時、過剰炎症を起こしやすく、また部位的に慢性的な炎症が引き起こされやすい場所だといわれます。その影響で、嗅覚障害やそこから痰が喉を通じて気管支まで落ちて咳などの症状を悪化させると考えられています。またこの部位は様々な神経も集まっているところで、ここに慢性炎症がおこることで、脳への影響が広がり、抑うつや疲労感が出るのではないかと考えられています。
      これに対して、上咽頭擦過療法は、鼻とのどから実際に上咽頭に綿棒を挿入し、その部位の炎症を物理的にとっていくという方法を取ります。
      実際、コロナウィルス後遺症患者において、上咽頭擦過療法を行うことで諸症状の改善がみられており、当院でも必要に応じて随時上咽頭擦過療法をプラスしています。

       

      6)FLCCC治療アプローチ

      FLCCC推奨ファーストライン療法

      1.イベルメクチン

      ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智先生によって開発された日本が世界に誇る治療薬です。
      コロナ感染治療薬として注目されてきたイベルメクチンですが、強力な抗炎症特性、スパイク蛋白結合による除去促進作用などにより、ワクチン後遺症でも推奨されています。
      ただし後遺症での使用に関しては時間が勝負といわれており、出来るだけ早期が推奨されます。現在のところ、経験的にできればワクチン接種から4~6か月以内に内服を開始したいと考えています。

      副作用及び注意点
      1. 妊娠中の方、授乳中の方は服用できません。
      2. 妊娠可能な女性、及び生殖可能な男性が服用する際には、避妊を徹底してください。
      3. 個人輸入による医薬品であるため、日本の医薬品医療機器等法に基づく品質・有効性・安全性は未確認です。また個人輸入した医薬品による健康被害は救済対象にならず、自己責任になりますので、必ず医師の説明を聞いた上で使用をご検討ください。

      2.低用量ナルトレキソン療法(LDN)

      ナルトレキソンはモルヒネに似た構造の化合物で、モルヒネなどのオピオイドイドとオピオイド受容体の結合を阻害する薬です。麻薬やアルコールなど薬物依存症の治療に使用する量(1日50mg)では、脳内におけるオピオイドとオピオイド受容体の結合を完全に1日中阻害し、薬物依存を治す効果があります。
      しかし、この量の10分の1(4.5mg)の低用量を投与すると、その阻害作用は数時間しか続きません。このように、内因性オピオイドとオピオイド受容体が1日数時間阻害される状況が続くと、体はその阻害されている状況を代償するためにフィードバック機序によって、より多くのベータ・エンドルフィンやエンケファリンなどの内因性オピオイドを産生するようになります。たとえば、睡眠前に低用量(4.5mg)のナルトレキソンを服用すると、朝には体内でベータ・エンドルフィンの産生が著明に高まると報告されてます。この体内でのベータ・エンドルフィンの産生増加こそが、ナルトレキソンの効果の主役となります。

      ●ベータ・エンドルフィンの効果
      1)モルヒネに比べて6.6倍の鎮痛作用及び多幸感
      マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくる作用「ランナーズハイ」は、エンドルフィンの分泌によるものとの説があり、性行為をすると、ベータ・-エンドルフィンが分泌されると言われています。
      肉体的な痛みや疲労が高まると、脳の下垂体部分からベータ・-エンドルフィンが分泌され、肉体的・精神的な苦痛やストレスを抑える働きがあります。
      つまり、ベータ・エンドルフィンには抗ストレス作用や忍耐力の増大、身体的や精神的な苦痛を和らげる効果があります。

      2)免疫改善
      体内に侵入した異物や体内に侵入したウイルスを攻撃するナチュラルキラー細胞やリンパ球にはベータ・エンドルフィンに対するレセプター(受容体)が存在に、このレセプターにベータ・エンドルフィンがくっつことによりこれらの免疫細胞が活性化します。またナチュラルキラー(NK)細胞の数および活性、リンパ球活性化CD8細胞の増加も報告されています。

      つまりナルトレキソンは、体内のベータ・エンドルフィンを増やすことで、多幸感、鎮痛、免疫力強化の作用を持っているのです。

      コロナ関連後遺症において、症状に対する不安は計り知れないものがあります。また免疫の低下や痛みの訴えも多いです。これに対してナルトレキソンは、幸せホルモンのベータ・エンドルフィンを増やすというアプローチで改善を試みてくれます。
      治療において心、精神が非常に重要であると考える私にとって、ナルトレキソンはとても大切な治療薬となっています。

      副作用及び注意点
      1. 不眠、または鮮明な夢を見ることがありますが、一週間程度で慣れることがほとんどです。継続が難しい場合は、メラトニンと一緒に服用する、起床後に服用するなどで対応可能です。
      2. 当院では厚生労働省から薬剤輸入証明書を得て、医師の個人輸入で、低用量ナルトレキソン治療に使う薬剤を輸入し、当院内で処方薬として治療に使っています。個人輸入による医薬品であるため、日本の医薬品医療機器等法に基づく品質・有効性・安全性は未確認です。また個人輸入した医薬品による健康被害は救済対象にならず、自己責任になりますので、必ず医師の説明を聞いた上で使用をご検討ください。
      3. 当院で使用しているナルトレキソン(4.5mg)はアメリカ製のCollege Pharmacyで、費用は1ヶ月分(4.5mg x 30錠)が27,500円(消費税込み)です。

      3.メラトニン

      メラトニンは、脳の松果体から分泌される人間の自然な睡眠サイクルを作り出すホルモンで、海外では睡眠サイクル改善サプリメントに利用されています。
      ワクチン後遺症においてはメラトニンが持つ抗炎症作用、抗酸化作用、ミトコンドリア機能調節作用などが注目され、内服推薦薬となっています。

      副作用及び注意点
      1. ごく稀に、頭痛、めまい、眠気、悪夢、過敏症や神経疾患(振戦、片頭痛)、及び胃腸疾患(吐き気、嘔吐、腹痛)の報告があります。症状がある時は速やかに使用を中止し、医師に相談してください。
      2. メラトニン摂取後は、車やバイクなど乗り物の運転はしないようにしてください。

      4.抗血小板治療

      コロナ感染による血栓関係の問題は多く、そのため血栓対策は非常に重要になります。FLCCCではアスピリンを推薦していますが、当院では出来る限り化学物質は使わないという方針のもと、交流磁気、水素、地竜(漢方製剤。抗血栓成分はルンブルクス・ルベルス)などで対応します。
      ただし血栓の疑いが強い場合においては、アスピリンの使用も検討します。

      5.ビタミンC

      ビタミンCには、I型インターフェロンの生成増加を含む、抗炎症、抗酸化、免疫促進などの作用があり、ワクチン後遺症治療に推薦されています。

      副作用及び注意点
      1. 腎臓結石の既往のある方は使用に注意が必要です。

      6.ビタミンD

      免疫機能の改善及び調節、神経細胞保護及び増殖・分化調節作用、腸への作用(上皮間接合部を安定し腸内細菌叢間のバランス促進、腸粘液中抗菌ペプチド量調整、腸管自然免疫活性化)などにより、ワクチン後遺症改善ビタミンとして推奨されています。

      注意点
      1. サルコイドーシス、リンパ腫、腎臓病の方、ヒドロクロロチアジドを内服中の方は使用に注意が必要です。

      7.腸管の改善

      ワクチンで障害を受けた腸は、ビフィズス菌の喪失による重度のディスバイオシス(腸内フローラの異常)を起こしていると考えられます。
      よってFLCCCにおいては、プロバイオティクス/プレバイオティクスが推奨されています。
      こもれびの診療所は腸管の改善を得意としますので、必要な場合はさらに高度な治療をご提案いたします。

      8.オメガ3脂肪酸

      炎症抑制のためにオメガ3脂肪酸の内服が薦められています。
      EPA製剤もしくはDHA/EPAにはうつや自殺の抑制効果も報告されており、メンタルの問題が生じやすいワクチン後遺症においては非常に重要な栄養素となります。
      よってオメガ3脂肪酸の多い魚介類や、アマニ油、紫蘇油なども積極的に摂るようにしてください。

       

      基本的検査

      治療の選択において検査は必須です。当院で行う可能性がある検査は以下の3つです。これらの検査をすべてをするわけではなく、状況や予算に応じてご提案いたします。

      • 血液検査(基本必須)
        全血算、白血球分画、血小板数、肝機能を含む一般生化学検査、抗核抗体、D-ダイマー(凝固活性マーカー)、早朝コルチゾール値(患者の一部は自己免疫性副腎不全に進行)、TSH (甲状腺疾患の除外)ヘモグロビンA1c(ワクチン後遺症患者は糖尿病に進行するリスクがある)、BNP(心疾患除外のため)、単純ヘルペスウイルスの血清検査(ウイルスの再活性を除外)、血清25(OH)ビタミンD、胃消化能など。
      • オリゴスキャン
        ミネラルと有害金属の量を推定します。栄養障害が強い場合、またはミネラル不足が疑われる場合は積極的に行います。
      • 有機酸検査
        腸管内細菌叢、ミトコンドリア、解毒システム、メチレーション回路、炎症、栄養素吸収力のチェックなどを行う検査です。疲労感や倦怠感が強い場合や、消化管障害がみられる場合などには積極的に行います。

       

      プラスαの治療

      A)痛み対策~YNSA

      コロナ後遺症の中で問題になる一つに痛みがありました。
      痛みの部位は多彩で頭痛、頸部痛、胸部痛、腰痛、下肢痛、関節痛、筋肉痛、全身痛と様々な報告があります。
      これに対して、「疲労回復点滴」により改善することも多いのですが、それのみで乏しい場合は、山元式新頭針療法(YNSA)を行います。
      YNSAの盛んな国ブラジルより、この治療で痛みを含めたコロナ後遺症に良い経過を示したと嬉しい報告もあります。またこもれびの診療所においてもYNSAにて難治の痛みから解放される症例も多いです。
      よって痛みが強い場合はYNSAで改善を図っていきます。

       

      B)お腹の問題

      コロナ感染後の後遺症ではお腹の問題も多くみられます。
      お腸に問題が強い場合は「腸管リフォーム療法」と「ラジオ波温熱マッサージ」などにより改善を図っていきます。

       

      C)抜け毛の問題

      コロナ感染後の後遺症では薄毛の問題も多くみられます。
      当院における薄毛治療は以下の3つです。

      1)IGF-1による毛母細胞の改善
      2)活性酸素除去による毛母細胞の改善
      3)頭皮血液循環改善による毛母細胞の改善
      なお1~3の治療はすべて、髪の毛の治療と同時に心と体の健康を取り戻す治療でもあります。

       

      IGF-1治療

       

      IGF-1治療法とは

      この治療法を一言でいえば
      「毛母細胞を含め全身に大量のIGF-1を供給し、毛母細胞に髪の毛を作る力を、体全体には健康になる力を取り戻させる」
      という方法です。

      IGF-1とは何か?

      IGF-1とは「インスリン様成長因子」とよばれるホルモンの一種で、様々な組織に作用し、成長、発達を促進するものです(血糖値を下げるインスリンとは全く異なるものです)
      髪においては、毛母細胞の増殖及び分裂活発化により育毛促進、脱毛抑制を促します。
      体においても多数のプラス面を持っており、心臓機能の維持、認知機能の維持、免疫力の向上、生殖機能の改善、睡眠の質の向上、抗鬱作用などが期待されるため、コロナ後遺症治療にも適していると考えます。

      どうやったらIGF-1を増やすことができるのか?

      IGF-1は、知覚神経を刺激することで増えることが分かっており、当院では、その刺激効果が強いトウガラシに含まれるカプサイシンと大豆に含まれるイソフラボンを併用して使っています。
      当院使用のカプサイシンは、唐辛子粉末ではなく、純粋・良質で、吸収率の高いカプサイシンを使用しています。一粒に1㎎という高濃度のため、他社商品と比べると刺激があります。しかしこの刺激こそが、IGF-1を放出させるために必要なものであり、高い効果を認めるゆえんでもあります。
      また、イソフラボンも胚芽のみから抽出され、大豆の中にわずか0.2~0.4%しか含まれない貴重で良質なフジフラボンを使用しており、これらを合わせることで高い効果が期待出ます。

      値段

      カプサイシン+大豆イソフラボン
      1か月分 11,000(税込)

       

      活性酸素除去療法

      薄毛の原因として挙げられるポイントが「活性酸素」であり、この治療は薄毛治療にもつながっていきます。

      血流促進~水素及び磁気治療

      当院では基本的に2つの治療を使って血流改善を促進します。

      水素治療
      水素は血流改善作用でも、以下の作用により素晴らしい効果を発揮します。

      • 血管周囲活性酸素除去
      • 赤血球凝集抑制
      • 体温上昇作用

      (水素風呂入浴による体温増強と毛細血管血流改善効果 三羽信比古先生)

      また「水素育毛革命」という著書においても、水素による薄毛改善効果が多数報告されています。

       

      交流磁気治療

      (頭皮の毛細血管。磁気スタート後速やかに血流が改善するのがわかる)

      磁気治療は、こもれびの診療所の非常に得意とする治療です。

      髪の毛の毛細血管観察において、交流磁気スタートと同時に速やかに血流改善が見られます。

      最後に

      ワクチン後遺症で苦しんでいる方の多さに、私自身驚くと同時に心を痛めています。
      なんとか少しでも楽になるお手伝いがしたいと、日々治療法を模索しております。
      そして、少しずつですが経験と知識のアップデートに伴い、その手段も増えてきました。

      ワクチン後遺症による症状は様々で、100人いれば100通りの訴えがあるため、マニュアル化は難しく個別対応せざるを得ません。
      しかし、ワクチン後遺症治療において共通することがひとつだけあります。それは『治療は早ければ早いほど良い』ということです。

      一人で悩まずに、まずはこもれびの診療(03-6806-5457)にお電話ください。一緒に最善の方法を探していきましょう。

       

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