疲労外来(ミトコンドリア・副腎)
- 持続的な疲労感
- 筋肉痛や関節痛
- 集中力の低下や記憶力の低下
- 過敏性、過剰な刺激感、感覚過敏
- 不眠、睡眠の浅さや質の低下
- 頭痛、めまい、立ちくらみ
- 性格の変化、イライラや不安感の増加
- 食欲の低下、消化不良、下痢などの消化器系の問題
- 冷え性、手足のしびれや痛み
- 免疫力の低下による風邪やインフルエンザなどの感染症の増加
- 筋肉や筋などを収縮させる
- 傷ついたDNA (遺伝子)の修復及びコピーをする
- 食べた食べ物を分解、吸収し、筋肉や細胞などを新たに作る
- 脳を働かし、記憶の整理をする
- 神経で情報を伝達する
- 血液や体液を作り流す
- 免疫細胞を作製する
- ホルモンや酵素の分泌を行う
- 熱を産生する
- 良質な糖・脂肪・蛋白質
- 特に必要なミネラル:Fe・Mg・Zn
- 特に必要なビタミン:B1・B2・ B3(ナイアシン)・B5・ B6・ B12・葉酸・VitC
- 邪魔をする有害金属(水銀・ヒ素・アンチモンなど)の排除=解毒力が必須
- その他:Lカルニチン・グルタチオンなど
- 酸素:電子伝達系にまず絶対的に必要なものは「酸素」です。ミトコンドリアは実に体内の95%の酸素を利用することでATPエネルギーを産生しているのです。つまり、人はミトコンドリアに酸素を与えるために息をしているのです。よってミトコンドリアに絶対的に必要なものは“酸素”となります。スポーツ選手が試合後「酸素カプセル」に入ることで疲労回復を行う、疲れたサラリーマンが「酸素バー」で酸素を吸ってリフレッシュする、これらは酸素の力でミトコンドリアが回復することによる結果です。よって当院でも酸素療法を積極的に行っています。
- 水素:酸素はミトコンドリアに必須なのですが、同時に問題になるのが活性酸素です。活性酸素は酸素を使う限り必ず発生します。そして、この量が多くなるほど、ミトコンドリア機能が低下します。これに対しての対策が“水素”です。水素は、体中の活性酸素を強い還元作用で除去してくれます。よって当院では酸素と水素のダブル吸入を行うことで、両者のいいとこどりをする治療を行っています。
- 複合体Ⅰ~Ⅴ:これらはたんぱく質で形成されるため、タンパク不足が顕著の場合、良質のたんぱく質やアミノ酸を供給します。また血糖値が高い場合は複合体改善及びミトコンドリア回復作用を持つ医薬品ツイミーグやメトホルミンを利用する場合もあります。
- マイナス電子:電子伝達系においてマイナス電子がATP産生に非常に重要になるのですが、このマイナス電子を直接投与できるのがプラズマパルサーという特別な機械です。以下、特徴を簡単に箇条書きにします。
・プラズマパルサーは、ほぼ100%に近いマイナス電子だけを取り出すことに、世界で初めて成功した機械です。
・電子伝達系へ電子(e―)を供給することにより、活性酸素を発生することなしにATPの産生を高めます。(30分の投与で唾液に含まれるATP量が3倍になったと報告)
・マイナス電子不足は血液の粘度を上げる=どろどろにします。これに対してプラズマパルサーのマイナス電子が体内で増加すると、血液粘度が低くなり、サラサラになります。
・プラズマパルサーは一酸化窒素が豊富に含まれてている「プラズマウォーター」を作成することができます。これを飲むことで家でもミトコンドリアを活性化し、代謝を上げ続けることができます。 - その他:CoQ10・ビタミンC・E・マグネシウム・亜鉛など
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5デアザフラビン:天然に存在するビタミンB2類似体でCoenzymeF420とも呼ばれるもので、国内特許取得、国内生産されている安心、安全な物質です。
このデアザフラビン、近年そのすさまじいパワーで、一躍注目の物質となっています。エネルギー生産や細胞の代謝プロセスに関与する最も重要な分子、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の前駆体として機能し、現時点で世界最強のミトコンドリア/サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)活性物質となっています。
・効果
1)低用量でサーチュイン遺伝子(SIRT1)を強力に賦活する
サーチュイン遺伝子とは、別名長寿遺伝子と呼ばれ、がんや老化関連疾患の予防に関与する重要な酵素です。その他、糖や脂肪代謝の改善、神経細胞を守り記憶や行動を制御するなど、老化や寿命のコントロールに深く関与しています。このサーチュイン遺伝子の活性化に必要な補酵素がデアザフラビンで、サーチュイン遺伝子活性率は長寿サプリメントとして有名なβ-NMNの十倍となっており、2023年の時点でサーチュイン遺伝子活性率世界一とされています。
2)強力にミトコンドリアを賦活化する
ミトコンドリアとは37兆個すべての細胞内に含まれるエネルギー生産部位で、1個の細胞に平均2000個も含まれる、身体のエネルギー産生になくてはならないものです。デアザフラビンは、このミトコンドリアにおけるエネルギー物質ATPの産生を、これまで最も高い効果を示すといわれていたβ-NMNのなんと数十倍も高めることが報告されています。これも2023年の時点で世界一とされています。
その他の効果として、3)虚血状態でも強力なATP生成(血流の途絶えた場所の回復を図る。虚血性疾患、臓器移植領域に応用)、 4)神経細胞の軸索延長、シナプス生成(脳細胞や神経変性など脳神経疾患回復の可能性)、 5)強力な細胞保護作用(ミトコンドリア病、腎機能低下に応用)、 6)老年症候群に応用、 7)、自律神経疾患に応用(細胞の安定性向上)、などが報告され、さらに種々の疾患に対する高い効果が期待されています。 - AMP活性化プロテインキナーゼを増やすことでミトコンドリアを増やす
1)ビタミンD 2)フィッシュオイル(EPA/DHA) 3)メトホルミン 4)低周波治療 - PGC1-αを刺激してミトコンドリアを新生する:水素
- 脳ミトコンドリアを保護する:メラトニン
メラトニンの基本的機能
・ミトコンドリア損傷を防ぎ死亡率を低下
・睡眠サイクルの改善
・軽度認知障害(MCI)の改善
・更年期障害の改善
・強い抗酸化作用:メラトニンは1分子で10個のフリーラジカルを消去できる
・免疫調整作用:リンパ球を作る胸腺や脾臓にメラトニン受容体が存在することが報告(1992)。Tリンパ球や単球の表面にも存在し、免疫反応増強サイトカインの放出を助ける。
・その他:抗炎症作用・・神経細胞保護・抗がん作用などの効果なども報告 - その他の栄養素:CoQ10(血液検査・有機酸でチェック)・αリポ酸(血糖値高い・抗酸化力低下ある場合)、EPA/DHA(炎症所見強い場合)なども併用する。
- ストレス:ステロイドホルモンを多数分泌させることでミトコンドリア機能を停止
- 交感神経亢進:ATP過剰消費することでミトコンドリアを疲労
- 糖質過剰摂取:インスリン大量作成に伴うATP過剰使用によりミトコンドリアを疲労
- アルコール過剰摂取:肝臓での分解のためにATP過剰使用によるミトコンドリア疲労
- ウイルス感染:細胞内でミトコンドリア機能を下げることで免疫細胞の動きを停止させようとする(免疫とミトコンドリアは一心同体)
- 年齢:年齢によりミトコンドリアは機能、数、共に低下していく。よってとくに中年以降はミトコンドリアのケアは必須となる。
- 14日間連続24時間血糖検査(こもれびの診療所)
- オリゴスキャンに伴う有害重金属検査・必須ミネラル検査(こもれびの診療所)
- 血液検査(日本国内)
- 唾液中副腎ホルモン日内変動検査(米国)
- 尿による有機酸検査(米国)
- 点滴~こもれび元気回復点滴(ミトコンドリア機能回復・副腎機能回復・解毒・抗酸化・幹細胞活性の5つの力で回復をはかるこもれびオリジナル点滴)
- 栄養分析後、各患者様ごと唯一無二の栄養療法を提案、実践
- 脳自律神経回復治療
疲労系疾患
「朝起きられない」、「1日中元気がない」、「疲れているのに眠れない」、「集中力が足りない」、「頭にずっとモヤがかかっているような感じがする」などの症状で困っていませんか?
これらは総称して「疲労系疾患」と言われるものです。
典型的な症状としては以下のようなものがあげられます。
代表的な疲労系疾患には、慢性疲労症候群、副腎疲労症候群、潜在性甲状腺機能低下症などがあります。
それぞれの疾患には、個別の原因はあるのですが、その根底には“ミトコンドリア機能低下”が原因になることが非常に多いです。
なぜなら、ミトコンドリアは人間を構成する37兆個すべての細胞のエネルギー産生器官だからです。
ミトコンドリアとは?
ミトコンドリアとは、細胞内に存在する小さな器官で、エネルギーを産生する重要な役割を担っています。
37兆個の細胞内に100個から3000個、平均で2000個のミトコンドリアがあり、体全体では1200000000000000(12京)、総量は体重の1割(60kgなら6kg)になると考えられています。
なお、ミトコンドリア内にはクエン酸回路と電子伝達系という2つのシステムがあり、これらを運用することで、ATP(アデノシン三リン酸)という生命エネルギーを24時間、365日、死ぬまで産生し続けることで、生命を維持していきます。
ミトコンドリアエネルギーATPの力
ミトコンドリアが生産するATPは、人間の全ての機能を支えるエネルギーで、主に以下のような仕事を行います。
つまり、ミトコンドリアシステムが健全であれば元気に満ち溢れている、逆にミトコンドリアシステムが不健全ならば、常にエネルギーが不足している=慢性疲労状態である、ということになるのです。
よって、こもれびの診療所では、まずは「ミトコンドリアがきちんと動いているのか?」を確認し、ミトコンドリアの機能回復を最優先治療と考えて対応していきます。
ミトコンドリア機能検査
当院では主に、血液検査と有機酸検査を併用することでミトコンドリアの機能をチェックします。
血液検査
“ミトコンドリア機能”を表す酵素(AST・ALT・γ-GT・コリンエステラーゼ・アミラーゼ)、“クエン酸回路=クレブス回路”を回すときに必要な栄誉素(亜鉛・マグネシウム・鉄・フェチリン・B群など)、“電子伝達系呼吸鎖”に必須のタンパク質・アミノ酸量などをチェックします。
有機酸検査
直接ミトコンドリア機能を見ることができ、またミトコンドリアを動かすうえで必須となるミネラル物質、また動きを阻害する有害物質(解毒機能)を見ることができます。
22~32:ミトコンドリアにおける解糖経路、クレブス回路(クエン酸回路)、アミノ酸代謝を見ることができる。
ミトコンドリアクエン酸回路及び電子伝達系に必須のビタミンB群、ビタミンC、CoQ10、グルタチオン前駆体であるNACなどをチェックすることができる。
ミトコンドリア機能を阻害する有害金属などをきちんと処理できているかを推定するために体内の解毒機能を見ることができる。
なお、この結果が非常に悪い場合はオリゴスキャンにて有害金属の体内の蓄積を直接見る場合もあります。
オリゴスキャン結果例
ミトコンドリア機能改善治療
1)クエン酸回路(クレブス回路)の改善
クエン酸回路を詳しく見ていくと、以下のようになります。
簡単に述べると、この回路を回すために必要なものが赤文字の炭水化物、脂肪、蛋白質、青文字のビタミン・ミネラル、邪魔をするのが、黒文字の有害金属、ということになります。
つまり、ミトコンドリアのクレブス回路を回すためには
ということになります。そして、これをチェックするのが上記検査なのです。
2)電子伝達系の改善
ミトコンドリア内の第一工場「クエン酸回路」で得られたNADHは、ミトコンドリア第二工場である4「電子伝達系」に運ばれ、以下の図に示すように少し複雑な経路を経て、ATPを生み出していきます。
ここで必要なのは以下のものです。
なお、2023年になり、ミトコンドリア電子伝達系復活に大きな期待がかかっているのが”5デアザフラビン”です。
疲労回復点滴
これらを踏まえて当院では、ミトコンドリア回復を目指す「疲労回復点滴」を準備しています。
疲労回復点滴
1)糖(ブドウ糖とフルクトース)、2)ビタミンB群(ナイアシン強化)、3)ビタミンC、4)マグネシウム、5)グルタチオン、6)幹細胞上清液
これらを検査結果に合わせて3つのプログラムに分けて、ベストの点滴を提案します。
なお、点滴中のプラスオプションとして、上述した酸素吸入、水素吸入、プラズマパルサーを随時プラスします。
メンタル疾患
疲労系疾患の場合、メンタル的にうつ症状を見せる場合が少なくありません。しかし、ミトコンドリア治療は、脳内ホルモン改善作用を持つため、メンタル治療も並行して行うようになります。
図はプロテイン(蛋白質)から脳内ホルモン(GABA・ドーパミン・ノルアドレナリン・セロトニンアド)が形成される模式図となりますが、この代謝において、B3であるナイアシン、B6,葉酸、鉄、ビタミンCなどが必須となります。つまりミトコンドリア改善で使用する良質のたんぱく質及びこれらのビタミン・ミネラル投与は脳治療(うつ治療)の一環にもなるのです。よってミトコンドリアという視点から行う疲労回復治療は、同時に脳治療ともいえます。
ミトコンドリアの数を増やす
図は、ミトコンドリア増加作用をもつ栄養素などを論文ベースでまとめたものです。
ミトコンドリア機能を下げるもの
以下はミトコンドリア機能を下げるものなのでご注意ください。
これらはミトコンドリアの状況を悪化させる要素となりますので、これらにも注意するようにしてください。
以上、疲労系疾患において最も大切な「ミトコンドリア機能低下症」の改善方法についてお話ししました。 まずはこのケアを行ったうえで、その他、個々の疲労系疾患の対応をプラスするようにしてください。
●個別疲労系疾患対策
1)反応性低血糖及び副腎疲労
疲労系疾患において、ミトコンドリア機能不全とどうように大切な疾患概念が「反応性低血糖及び副腎疲労」です。
特に、疲労に加えて、これまで精神科、心療内科を通い歩き、お薬だけで問題解決できなかった「メンタル的な不調」の方は、「副腎疲労」という視点で見てみると突破口が開けるかもしれません。
詳しくはユーチューブ「こもれびの診療所」の「副腎疲労シリーズ1~12」でお話していますのでぜひそちらもご参照下さい。
反応性低血糖
疲れやすい・集中力がない・イライラが続く・気分が塞ぐ・感情を抑えられない等、これらの原因に反応性低血糖があるかもしれません。
これは、氾濫する過剰な糖質や刺激物、ビタミンやミネラルが失われた保存料漬けの食品、常に競争や不眠を強いられる社会的ストレス等により血糖コントロールが不安定になり、様々な身体的・精神的症状が引き起こされた状態です。
特に問題になるのが、糖質過剰後に起こる低血糖症状です。これに伴い、冷静な思考・判断が難しくなります。またその際に防護策として分泌される血糖上昇ホルモンは、ダイレクトに感情面へ影響を及ぼします。
初期症状としては、疲労感・不眠・集中力の低下・頭痛・神経過敏・不安・恐怖感・めまい・拒食や過食等ですが、悪化すると感情がコントロール出来なくなるばかりか、発作的に泣く・暴れる・精神錯乱・幻聴・幻覚・自傷行為・自殺観念など、顕著な精神症状を呈します。
また、この現象は、副腎疲労の原因にもなり、それによりますます症状が複雑かつ難治性になっていきます。
このような症状が出た時、通常は “心の病”と判断され、精神科や神経科にて、向精神薬などが処方されます。しかし、抗精神病薬を内服しても解決しない人は非常に多く、実はその背後に、反応性低血糖が隠されていることが少なくないと考えます。
なお反応性低血糖症は薬で治すのではなく、食事の改善とサプリメントを必要に応じて使うことで、身体の回復を目指します。
この場合欠乏を防ぐ目的ではなく病態改善が目的であるため、ビタミンB群やビタミンCなどは「日本人の摂取基準(厚生労働省)」の数倍以上が至適量であることもあります。
副腎疲労
1)副腎
副腎は、左右の腎臓の上にあるピラミッド型をした臓器です。
重さは5gととても小さいですが、コルチゾール、アルドステロン、性ホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリンなど生きるのに必須のホルモンを分泌することにより、心臓や血管の循環器系の調節、エネルギー産生(炭水化物代謝、血糖コントロール、タンパク質・脂質から糖新生)、免疫バランス維持、抗炎症、ストレスコントロールなど、身体にとって重要な働きをコントロールしています。
2)副腎疲労
副腎疲労とは、反応性低血糖、人間関係などのストレス、慢性炎症、重金属・化学物質の蓄積、寝不足・運動不足といったライフスタイルの乱れなどが原因となり副腎の機能が低下した状態です。
これによりホルモンバランスが乱れた結果、慢性的な疲労、精神不安、食欲不振、下痢、アレルギーなどの様々な症状が引き起こされます。
なお副腎疲労は、正式な病気と認知されているものではないため、通常行われている医療の中では治療対象とはなっていません。よって保険診療の対象外となっています。しかしアメリカにおいては、30年以上前からこのような病態があることが示され、種々の検査や治療法が導入されています。よって当院においても、副腎疲労の検査の一部はアメリカの方に直接送って判定しています。
3)副腎疲労の診断
これらの症状の2つ以上あれば、副腎疲労を考慮します。
副腎疲労の検査としては
などがあり、これらを適宜組み合わせながら診断していきます。
4)副腎疲労ステージ分類
副腎ホルモンは以下のように様々なものがあります。
この中で、副腎皮質と呼ばれる部分から分泌される“コルチゾール”と“DHEA”の2種類のホルモン測定し、以下の症状と組み合わせてステージ分類を行います。
どのステージにおいても、基本的に必ず行われるのが低血糖対策を含めた食事指導と、運動、睡眠などの生活習慣対策です。それに加えて必要に応じてストレス対策や有害金属排泄を促すデトックスなどが取り入れていきます。
ただし、ステージ3、晩期代償不全まで進むと、疲弊が強く、日常生活も妨げられてしまいます。その場合、積極的な回復治療を必要とします。
当院では
を状況に応じて行います。
元気が出ない、集中力がない、ぐっすり眠れない、不安感が強い、疲労感が取れない、などで苦しんでいる方は、ぜひ一度、反応性低血糖及び副腎の改善を試みてください。
一人でも多くの方の笑顔が戻るように私たちも全力を尽くします。