SIBO呼気検査
- 検査2週間前~抗生物質の内服中止。
- 検査2週間前~胃・大腸カメラや胃・大腸バリウム検査は受けない。
〈食事についての注意事項〉 - 検査3日前~サプリメントとして乳酸菌などのプロバイオティクスは摂取しない。
- 検査24時間前~発酵食品(納豆、キムチ、ヨーグルトなど)、野菜、果物、海藻、ハーブ、ナッツ、豆、種、白米以外の穀類、乳製品、砂糖は避け、出来るだけ消化の良いものを食べる。
食べてよい物:鶏肉・魚・白米・水・塩・コショウ・オリーブ油・ココナッツ油) - 前日の夕食から12時間絶食後スタートする。(ただしお水のみ飲むことができます)
- 検体採取時間前から終了まで喫煙・受動喫煙・睡眠・過度な運動を避ける。
なお、検査は、検査キッドを当院より送り自宅で摂取後検査会社の方に搬送してもらう形になります。
非常に簡単な検査で、また摂取方法もわかりやすく説明されておりますので安心してください。 - 水素ガス:ベースラインから100分以内に20ppm以上増加したら陽性と判断する
- メタンガス:10ppm以上のレベルの場合、メタン生成菌が定着している事を意味する
- 水素ガス+メタンガス:15以上は陽性と判断する
- 検体の有効期限が極めて短く、採取から5日以内に米国ラボへ到着しなければならない
- 輸送中の遅延・税関審査でのトラブル・検体漏れなどで検査不可になる場合がある。また再検査になっても、再び不成立となるケースがある
- 料金が高額で前払い制、かつ再検査時の保証がない
- どのような理由であれ再検査の場合、再度料金がかかる(10万円以上)
- 検査会社も海外からの発送を推奨していない状態
- 臨床症状
- 問診
- 検査データ(有機酸検査・便検査 など)
- 食事反応
- ガス・腹部膨満・排便のパターン
- 硫化水素型SIBOを想定した治療プロトコルを準備しています
- 水素・メタンの呼気検査が陰性でも、症状がSIBOに一致する場合は硫化水素型として治療を開始できます
- 海外の治療プロトコルや最新文献を基に、低硫黄食などを含む治療方針も選択可能です
- SIBOだけでなく、腸内環境・ミトコンドリア・自律神経まで含めた統合的治療を行います
- 現在実施しているのは 水素・メタン呼気検査
- 硫化水素型SIBOは 現状、日本では検査困難
- しかし臨床的には 硫化水素型として治療可能
- 院長が国内外の最新研究を踏まえ、症状に基づいて最適な治療方針を提案します
- お腹の張り・ガス
- 食後の膨満感
- 便秘や下痢の反復
- 肌トラブル
- 疲労・ブレインフォグ
- アルコールや甘い物で悪化する症状
消化管内に生息する細菌は、糖質をとると、水素ガスやメタンガスを発生します。
通常は大腸にしかいないため、糖質摂取後、これらのガスが放出されるのは120分後以降です。しかし、本来存在すべきでない小腸内で腸内細菌が増殖すると、小腸内で糖質摂取に伴い、本来よりはるかに速い時間帯よりガスを発生させます。
つまり、糖質摂取後の吐いた息(呼気)のガス分析を行うことで、小腸内に菌が増えているか、またその量はどれくらいかを判定することができ、それに伴いSIBOの診断および重症度がある程度推測されるようになります。
摂取方法
ガス摂取1:絶食時ラクツロ-ス2袋を内服。その後以下の時間で呼気ガスを摂取する
ガス摂取2:20分後
ガス摂取3:40分後
ガス摂取4:60分後
ガス摂取5:80分後
ガス摂取6:100分後
ガス摂取7:120分後
ガス摂取8:140分後
ガス摂取9:160分後
ガス摂取10:180分後
合計10回
検査前注意事項
検査結果
呼気検査の結果で大体の場所を特定します。
0分~100分まで:小腸内の呼気ガス
120分:移行部
140分~180分:大腸内の呼気ガス
ただし、これはクリアカットにではなく、臨床症状と合わせて考えます。例えば、19ppmの上昇でも、症状が強ければSIBOと考えますし、20~40分程度の最も小腸内に菌が少ないと思われる場所で15以上上がって、ゲップや上腹部の張り、嘔気などがあればやはりSIBOと考えます。
あくまでも数値だけでなく、臨床症状と合わせて判断をしていきます。
*メタンガスが多い場合:古細菌(アーキア)が多いと判断します。
古細菌は分類上は細菌ではない単細胞生物で、メタンSIBOの成り立ちと密接に関係しています。もしあなたの小腸内でこの微生物が異常増殖していたならば、おそらく他の細菌の異常増殖をも伴っていることが多くあります。
どうしてこのようなことが起こるのか?あなたが食物繊維を摂取した時に、消化管内の細菌はそれを発酵させることで水素ガスを発生させます。そしてアーキアはこの水素ガスを餌にしています。この水素を取り込むことでアーキアはなんとメタンを産生するのです。
SIBOでは最近の異常増殖に伴い過剰な水素ガスが発生します。
水素を発生させる細菌が異常増殖していても、それ以上にアーキアが水素を消費してメタンを産生させると、呼気検査ではメタンガスのみ検出され、水素は検知されないことも起こり得るのです。
つまり細菌異常増殖→水素ガス発生→アーキアの餌→メタンガス発生 と考えるでメタンガスが多い場合は、相当数、多種類の細菌群が小腸内にいると考えます。
*未吸収の糖質が大腸に到達しているにもかかわらず水素、メタンを検出されない場合:
この場合、腸内細菌のクロストリジュウムが生息していないために水素、メタンは産生していないと考えます。人種差、遺伝子の違いにもよりますが数パーセントはいると考えられています。この場合は、糖質負荷による呼気水素試験は適合しないことになります。ただこのタイプかどうかはやってみないとわからなく、事前に判定できないことはご了承下さい。
●プラスすることが望まれる検査
SIBO陽性となった場合、次に大切なのは「除菌のみでよいのか」または「真菌除去もプラスする必要があるか」です。
なぜなら、菌(細菌)と真菌(カビ)は除去方法が違うからです。
よって、SIBO陽性の場合、追加検査として「有機酸検査」または「総合便検査」を加えることが望まれます。
この検査を追加することで、菌、真菌の増加があるかどうかが判断でき、より正確な治療を決定することができます。
詳しくはそれぞれの検査項目をご確認ください。
SIBO(小腸内細菌異常増殖症)の当院採用の呼気検査について
こもれびの診療所では、上述のようにSIBOの診断に「水素(H₂)・メタン(CH₄)」を測定する呼気検査を導入しています。
これは、現在最も標準的で信頼性が高い検査方法です。
硫化水素(H₂S)型SIBOについて
SIBOには、水素型、メタン型以外に、硫化水素(H₂S)型があります。
近年、硫化水素型SIBOが注目されていますが、日本国内では現時点で検査が非常に困難です。
▼ なぜ硫化水素型の検査ができないのか?
硫化水素型まで判定できる検査として、アメリカの特殊機関において検査することが可能です。
しかし、この検査には以下の理由で運用が実質的に難しい状況があります。
こうした背景から、
現時点で日本の一般クリニックで安定して提供できる検査ではない
というのが当院の判断です。
(専門施設のみ、リスクを承知の上で限定的に取り扱われています。)
そのため、当院では硫化水素型SIBOの検査を行っておりません。
●当院での対応
検査困難でも、臨床的に硫化水素型SIBOを推測することは可能です。
水素・メタンが陰性でも
から、硫化水素型の可能性を十分に推定できます。
▼ 当院では以下の点で対応可能です
まとめ:当院のSIBO検査方針
SIBOの症状でお困りの方へ
これらはSIBOの典型症状です。
水素・メタン検査だけでは捉えきれないケースでも、当院で丁寧に評価し、治療の道筋をつけることができます。
どうぞ気軽にご相談ください。