2008年10月29日、当時の宮崎県知事だった東国原英夫さんに書いたYNSAの手紙

   

院長である加藤は、2006年から2009年まで宮崎の山元病院にて、YNSAの創始者山元敏勝先生のもとでYNSAの修業を行っておりました。

その間、多くの外国の先生方が、はるばる日本の宮崎までこのYNSAを学びに来ていたのですが、その時、いつも言われていたのが、この言葉です。

「なぜ日本人はお前(加藤)以外山元敏勝先生からYNSAを学ばないのか?日本人はクレイジーか!!」

それが悔しくて悔しくてこの技術を日本に広げるために何かしなければ、と考えたとき最初に思い付いた方法、それが、当時の宮崎県知事東国原英夫さんに手紙を書くことでした。
HDD整理していたら、当時の私の悔しい思いが伝わる手紙が出てきたので、こちらに添付します。

~~~~2008年10月29日に書いた手紙~~~~

宮崎県 東国原 英夫 県知事様 御侍史

 お忙しい中突然のお手紙お許しください。

私は、現在日南市で医師をしております加藤直哉と申します。

子供のころ、野球で肘を痛め、「もう一生野球は出来ない」といわれた状態を、その当事「統合医療」を行っていた医師に治していただいてから、将来「統合医療=西洋医学と東洋医学を含めたその他の医療の融合」を行える医師をめざし今日に至っています。

そのような中、私は、現病院でお世話になっている

「山元敏勝先生」

と出会い、彼の技術と人間性に感動し、現在修行させていただいています。

彼の開発した「山元式新頭鍼療法」をどうしても日本に広めたく、今回ご紹介させていただきました。

この山元式頭鍼療法は、当院理事、山元敏勝医師が昭和43年頃より行い、1973(昭和48)年に治療法を確立したものです。主な疾患として、すべての痛み(首、腰、肩、頭痛)、神経症状(めまい、耳鳴り、不眠、更年期障害等)不定愁訴の治療又は、脳出血、脳梗塞など中枢神経疾患における半身不随、麻痺、言語障害、めまい、難病、パーキンソン症候群等に多岐にわたり、今までの鍼治療とは全く異なり、即効性のある効果をあげています。

また、世界的にも有名で、主にドイツ、アメリカ等欧米においては、Y.N.S.A.(Yamamoto New Sculp Acupuncter)として広く普及し、活用されています。

現在、把握している範囲ですが下記に各国普及状況を示します。

・ドイツ:世界随一の統合医療国。国試にハーブの分野があり、保険で診療できるほど盛んです。

山元先生がドイツ留学の経験があり、ドイツ語が堪能であること、またドイツが統合医療に対する取り組みが非常に高いことなどからYNSAはドイツが普及率世界一です。

ドイツでは、早くから学会が創設され、臨床、研究が非常に盛んに行われています。

現在、国から認められた医師のみYNSAを「保険診療」として行えるようになっています。

つまり、日本で言う厚生省がYNSAの効果を認め、「保険診療」として許可を与えるほど西洋医学的に見ても臨床的効果が高く、認められているのです。

・ブラジル:ブラジルでは「YNSA」のみ医療保険が適応される針として認められています。中国鍼灸は認めていません。

ちなみに昨年、山元敏勝理事はブラジル政府、医師会から招待され3日間にわたり講演、実技指導しており、ブラジルのみならず、南アメリカなど多くの国々から数百人の医師が集まり大盛況でした。

・アメリカ:2007年5月、現在世界一のハーバード大学・大学院より招待、依頼にて2日間に渡ってYNSAの講演を成功させています。日本の教授で、ハーバードから招待される医師は数名もいないはずです。

・エジプト:平成19年、山元敏勝理事はエジプト政府より招待され、講演、指導しております。到着時空港には長いリムジンのお迎えがあったそうです。

・オーストラリア:来年度より、シドニー大学医学部にて、YNSAが医学生の授業に取り入れられることが決まっています。2009年夏、選ばれた学生が数名、実技指導に留学する予定です。

その他、チャウシェスク政権下にルーマニアの医師にどうしてもと請われ、厳戒監視下のもと、YNSAの指導にいっております。その他、世界7大陸すべてで講演を行い、様々な国々で学会、研究会が発足されています。

ちなみにフランスでYNSAを保険診療外で行っているある医師は1回600ユーロ(日本円で約8万円)で治療を行っているそうです。

2008年現在、世界中でYNSAを治療に取り入れている医師は数万人を数え、現に、当院理事である山元敏勝医師は、世界中から指導要請を受け、1月に1度は各国に指導に飛んでいます。

また諸外国の先生方(各国の教授クラス)が毎年40人~50人、1週間の日程で山元病院へ山元敏勝医師の手技を直接勉強に来られます。(写真参照)わざわざ多くの時間と、お金をかけ、この日本の、宮崎まで足を運ぶのです。そのような医師が、一体日本に何人居られるでしょうか?

私自身も、山元敏勝医師の手技を目の当たりにし、脳梗塞等で、まったく手の動かなかった人がその場で突然手が動き出す奇跡にとにかく感動し、「これだ!!」と感じ、2006年より、おし掛け、勉強させていただいています。

これほど、世界で認められた医療技術であるのに、日本ではYNSAを行う医師は十数名しかいません。しかも山元敏勝医師から直接指導を受けているのは私をいれても数名しかいないのです。

世界中からこられる外国の先生方は、当然、日本の医師は皆YNSAが出来ると思っています。しかし、日本ではまったく普及していないことに非常に驚かれ、「日本の医者はクレイジーか?」と質問されることが本当に、残念でなりません。

よって、私は、世界に遅れないように、このYNSAをマスターし、日本人のために伝えていかねばならないと、強く思うのです。

では、なぜこれほどまでに日本で普及しないのか?

それは現在の日本医療が徹底的に「アメリカ発の西洋医学追従志向」だからです。

例えば漢方薬、日本では日本漢方として確立し、名医と呼ばれる先生方もたくさんいます。

しかし、そのような先生には目を向けず、例えばですが、アメリカから「大建中湯という漢方が、イレウスに効果がある場合がある」という報告があれば、手術後、イレウス予防に外科の先生たちが、判を押したように「大建中湯」を処方するのです。

本来大建中湯は、イレウスに使うわけではなく、証(その人を様々な角度で診察し診断、処方すること)にしたがってつかわなければならないのに、そのようなすばらしい指導を出来る先生たちを無視しておいて、漢方に無知のアメリカ発のデータで使用するのですから、悲しくてなりません。

当院のYNSAも同様です。

当初、山元理事も日本での普及も考えていました。

しかし、日本の医師は「あー、針でしょう、そんなの、効果あるの?」といった感じで、見向きもしなかったようです。

また効果を見ても「そういうこともあるかもしれないけど、医療じゃないよね」

といった状態でした。

また、医師会からの反発も凄かったようです。

しかし、ドイツ等海外では、目の前で動かなかった足が動くようになるのを見れば「ぜひ、その技術を教えてください。」と、医師として、というより人として、当然の反応を見せ、学ぼうと貪欲になったのです。

また、100人の師匠がいれば100通りの治療法があるいわゆる中国鍼灸とことなり、このYNSAは非常に確立したシステムで、基本的に皆同じ方法で行われるため、教えやすく、また学びやすいということがあり、あっという間に全世界に普及していったのです。

このような状況で、数年後、海外からYNSAが逆輸入されたとき、日本で生み出されたこの医療技術を、海外から日本人であるわれわれが学ばねばならない状況を危惧してやみません。

私自身、山元敏勝先生が既に78歳を迎え、先生がお元気のうちに、なんとか日本に「世界に誇るすばらしい医療がある」ということを伝えたく、また、きちんと伝えてくれるのは、現在、本当に力のある、そして宮崎、日本を憂いて下さっている東国原知事しかいないと思い、このような長いお手紙を書かしていただきました。

また、このYNSAは宮崎医師不足問題の解消の可能性もあるのではないかと考えています。

というのは、現在、若い医師は、授業で漢方薬を取り上げていることもあり、非常に東洋医学等の理解に柔軟性があります。

そのような柔軟な頭で、山元敏勝先生の手技を目にし、そして上にも述べましたが「「欧米で認められている」、「ハーバードで招待講演している」などの情報も加味すれば、特に若い医師は、「YNSAを学びたい!」と考えるはずです。

こう考える医師が10名でもいれば、宮崎の医師確保に大きく寄与するのではないでしょうか?

つまり、「YNSA~山元式新頭鍼療法」は宮崎の悩む「医師確保」という大きな起爆剤になる可能性があるのではないでしょうか?

本当にすばらしい技術です。ぜひ一度体感してみてください。

知事が、腰痛、また長距離に伴う足の故障などありましたら、ぜひ一度宮崎リハビリテーションクリニック(青島)で、山元敏勝先生の治療を受けてみてください。

本当に凄さが実感されると思います。

本当に勝手なお手紙でご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。

宮崎の未来のため、そして日本の宝であるYNSAを日本人のためにぜひ広めたいと思います。

そして、一人でも医師が興味を持ってくれれば幸です。

では、季節の変わり目で、しかも非常にお忙しくストレスの多い仕事で大変だとは思いますがお体ご自愛ください。

知事のご活躍とご健康を心よりご祈念しております。

887-0021

宮崎県日南市中央通1-10-15

愛鍼会 山元病院 勤務医 加藤直哉

追記1:山元敏勝医師授賞歴

1962年:ドイツ バッハマン賞  1995年:ポーランド学士院賞 

1995年:ドイツ セーリング賞  1996年 アルバート・シュワイツ賞 他

資格

ポーランド医科大学国際研究所名誉会員 国際医師針治療学会会長(元)

イギリス医師針治療学会名誉会員 イタリア医師針治療学会名誉会員

ロシア医師針治療学会名誉会員 ハンガリー医師針治療学会名誉会員など

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残念ながら、知事からのご連絡はありませんでした。

よって次に私が行ったのが、学会を作り、YNSAを日本の治療かに広めるために東京に出ることでした。

そして現在、多くの仲間たちの協力もあり、2013年に成立したYNSA学会は500名以上の会員数をもつ中規模な学会になりました。
また台湾支部もできました。
さらにYNSA関連の本を3冊出すこともできました。

これからもさらに普及活動を行い、すべての県で、気軽にYNSAを受けられる国になるように頑張りたいとおもいます。

この技術を開発してくださり、また惜しげもなく私たちすべての治療家に伝えてくださる山元敏勝先生に心より感謝と敬意を示し、これからも、弟子のひとりとしてこの技術とそして先生の心を伝えていくように頑張ります。

医療法人社団徳風会 こもれびの診療所
理事長 加藤直哉



医療法人社団徳風会 こもれびの診療所:https://komorebi-shinryojo.com/

電話:03-6806-5457
住所:〒116-0003 東京都荒川区南千住5-21-7-2F(旧日下診療所)
最寄り駅:南千住駅より 徒歩 5 分

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