オリゴ糖いろいろ及び抗生剤とお腹の関係

   

●オリゴ糖摂取の注意点
オリゴ糖はお通じ改善に効果がある分、取りすぎると便が柔くなりすぎる場合があります。よって1日2~10gくらいを目安にして、バナナウンチが2~3本をキープできるように調整してください。柔くなりすぎた場合は量を減らしてください。

*オリゴ糖大量摂取で下痢になる理由~腸の中の善玉菌が一時的に爆発的に増え、便を巻き込んで外に出るためです。よって、この下痢は、いわゆる腹痛の伴うようなものではなく、腸にとっては心地の良い、腹痛を伴わない下痢となります。

●オリゴ糖と血糖
オリゴ糖は、腸内でほとんど分解されないため血糖値をあげることがありません。
たとえば、乳果オリゴ糖は、胃酸によって1.5%、小腸の粘膜にある酵素によって5%しか分解されません。つまり、摂取しても90%以上は消化・吸収されず、大腸内でビフィズス菌のエサになるだけです。なので糖で甘味はあるのですが、体内の消化酵素で消化されないため、高血糖のリスクもほとんどありません。しかも砂糖の半分くらいのカロリーしかありませんから、生活習慣の中での糖としてもすぐれています。
ちなみに、オリゴ糖はプレバイオティクスと呼ばれます。

 ●オリゴ糖の種類
オリゴ糖にはいろいろな種類があります。どれも良さはいろいろですが、代表的なものだけここでお示しします。

・乳果オリゴ糖(ラクトストロース)~天然のサトウキビに含まれるショ糖と、牛乳に含まれる乳糖から生まれました。砂糖に近い自然な甘みが特徴で、ビフィズス菌を増やす力が強いオリゴ糖です。

・大豆オリゴ糖~天然の大豆から分離、精製して作られています。砂糖に近い甘味があり、腸内のビフィズス菌を増やし、免疫力を向上させる効能があります。

・フラクトオリゴ糖~玉ネギやゴボウなどの野菜に含まれ、くせがなく、まろやかな甘さが特徴です。ミネラルの吸収をうながし、骨密度の低下を抑制する働きがあります。

・イソマルトオリゴ糖~グルコースという単糖で構成され、熱や酸に強いのが特徴です。自然界では、味噌やハチミッなどに含まれています。整腸作用はゆるやかです。

・キシロオリゴ糖~タケノコなどにごく少量含まれているオリゴ糖で、特に虫歯の原因になりにくいオリゴ糖です。さわやかな甘味があります。

・ガラクトオリゴ糖~母乳に多く含まれているオリゴ糖。甘味はあまりありません。たんぱく質の消化吸収を助けます。

 どれが特にいいということでもありません。適当に種類を変えながら味を楽しんでみるのも良いかもしれませんね。

 ●抗生剤と善玉菌の関係

さて、良いものを食べながら、乳酸菌、オリゴ糖を摂取し、私たちの腸内細菌叢に住む善玉菌ちゃんたちを育て上げても抗生剤を内服すると腸内細菌がいったんほぼ消失します!!
その後だいたい1週間たてば回復してきはするのですが、残念ながらこれまで育てたものとは全く違い、悪玉菌が優位の荒れた腸内環境になってしまいます。よって、再度工夫して、腸内環境回復を再スタートすることとなります。
つまり、腸内環境のことを考えるなら、抗生剤は決して安易に飲んではいけません。絶対的にメリットが強い場合のみの内服が必要となります。

実際米国小児科学会誌2009年号に「小児への抗生剤投与はぜんそくの発症を増やす」という論文が掲載されました。これは25万人の子どもを出生直後から5年間追跡調査した大規模な研究で、抗生剤を投与するとぜんそくになりやすく、さらに抗生剤の投与日数が増えるほど、ぜんそくになりやすいという結果が出ました。

ぜんそくはアレルギー疾患ですから、抗生剤により腸内細菌叢の善玉菌が減った結果、ヘルパーT細胞のバランスがおかしくなるからでしょう。

日本は世界で最も抗生剤を処方する国の一つです。非常に安易に医師も患者さんも抗生剤を処方、内服します。でも、それは「腸の国」に住む善玉菌の視点で見れば、抗生剤は、腸内に原爆を落とし、焼け野原にするようなものです。

よって私たち医師はもちろんですが、患者さん側も賢くなり、本当に必要な抗生剤以外はとらないようにしなければなりません。

注意してほしいのが、抗生剤をすべて飲むな!!と言っているのではありません。ただ、日本は例えば「風邪」という診断で、抗生剤が安易に処方されます。しかし風邪はウイルス疾患なので抗生剤は効きません。ウイルスには自己の免疫でしか対抗できないのです。そう、風邪こそ免疫のキーとなる腸内細菌が勝負なのです。
それなのに、多くの患者さんが風邪で抗生剤を欲し、それに医師が安易に乗ってしまっているのが残念ながら日本でよくみられる光景です。

なので、どうしても必要な場合のみ抗生剤は内服するようにしてください。あなたの信頼する、お薬を出し過ぎないきちんとした医師なら診断の上、抗生剤の処方のメリットが明らかな場合しか出さないはずです。逆に風邪と診断されて抗生剤を何も言わず出す医者は「藪医者」と思ってもらって大丈夫です。

少なくとも、これを読んでいるあなたが、自分から「念のために抗生剤を出してください」なんてことは言わないようにしてください。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの今日が、地球の今日がhappinessいっぱいでありますように。



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