クエン酸の可能性
2023/06/26
ここ1年、ミトコンドリアの研究ばかりしています。
その中で一つキーになるのが「クエン酸」です。
福田一典先生の著書「クエン酸ががんを消す」、長田正松先生の著書「クエン酸で医者いらず」などを読み、ミトコンドリアという視点だけでなく、「健康」という視点からも本当に素晴らしいと感じますので、当院でも積極的に導入、またご紹介させていただきます。
【クエン酸】
クエン酸は、天然に存在する有機酸で、多くの果物や野菜に自然に存在し、特に柑橘類に高濃度で含まれている酸っぱさの元です。そのため、酸味のある風味を持つ食品や飲料に広く使用されていますが、近年、非常に多くの健康効果が確認されるようになり、注目されています。
- クエン酸のメリット
1)エネルギー改善
- 疲労回復効果:ミトコンドリアのクエン酸回路を促進させることによりエネルギーを生み出し、疲れやすい体を活性化させます。また疲労原因の乳酸を減少させることで疲労回復を促進します。
- 胃消化能力改善:食欲増進効果、酸味により唾液腺や胃酸を刺激して唾液や胃液分泌促進効果があります。また飲食物の殺菌効果も持ちます。
2)生活習慣病の改善
- 代謝促進効果:エネルギー代謝を促進する効果があり、脂肪燃焼をサポートします。
- 血糖値上昇抑制効果:糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑えます。
- 血圧降下効果:血管拡張作用により、血流改善し、血圧を下げます。
- むくみ解消効果:利尿作用により、むくみの解消に効果的です。
3)体全体の健康改善
- 抗酸化作用:体内の活性酸素を抑制し、細胞をダメージから守ります(抗酸化作用)。
- 酸性体質改善効果:クエン酸そのものは酸性ですが、十二指腸に入ると膵臓から出るアルカリ性の重曹と化学反応を起こし、クエン酸ソーダとなってアルカリになることで体内のpHバランスを整え、酸性体質改善に効果を表します。
- 美肌効果:肌の新陳代謝を促進する効果により、美肌効果を示します。
- ストレス緩和効果:抗ストレスホルモンを放出する副腎の機能を改善させ、ストレス緩和効果を発揮します。
免疫改善効果:クエン酸には、免疫力を安定させる効果があります。
4)がんの抑制
- がん細胞は解糖系の過剰発現により、周囲に乳酸を増加させます。これにより①乳酸増加によりがん周辺が酸性環境にする→酸性化により正常細胞の結合組織が破壊されがんが増殖しやすくなる、②がん細胞の血管新生を誘導をする→がんの補給路が増え増殖が促進される、③がん細胞を攻撃する細胞障害性T細胞や、サイトカインの産生を抑制し免疫低下を引き起こす→がん攻撃ができなくなり増殖する、などが起こります。
- これに対してクエン酸は、①ミトコンドリアTCAサイクルを回すことでがんのエネルギーシステムを正常細胞化させる、②ホスホフルクトキナーゼを抑制し解糖系を止めてがんの代謝を抑制する、③乳酸産生を抑制することで正常細胞を守り、血管新生を抑制し、免疫改善を図る、などの作用を行います。
- 実際、がん細胞はクエン酸が少ない、クエン酸が少ない人の場合がん細胞の活性が増していた、などの報告があります。これに加えてクエン酸は副作用はほぼありませんので、がんの補助治療として積極的に行うべきと考えます。
- 飲み方:1日5ℊ~10ℊを目標にしてください。500mlのお水に5ℊ溶かして飲んでみてください。酸っぱいので、少しずつ調整してください。濃い状態での摂取は歯を溶かす場合があるので、薄めて飲むようにしてください。
医療法人社団徳風会 こもれびの診療所:https://komorebi-shinryojo.com/
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