日本人と日本を救う食事を考える

   

おはようございます。

少し時間をいただいて

「健康になる食事」

をテーマに考えてみたいと思います。が食事においては100%の正解はないとも思っています。

例えばAさんとBさんで考えた場合、骨格、遺伝子、地域、おかれた経済状況、病気の種類、体質などまったく異なりますから、AさんとBさんに共通する完ぺきな食事は存在しません。

また、見る切り口が変わればその食べ物は善にも悪にもあります。「無農薬野菜」を考えてみます。自然療法を推進する人から考えるなら、農薬を使っていない野菜はいいことだらけのように思われるでしょう。しかし、「感染」を重要視する治療家から考えるなら、無農薬は寄生虫や細菌など多数の感染リスクになるため注意が必要だ、ということになります。

このように、食事とは見方が変われば、また人によっても良い、悪いが変わってくるめ、「これさえ食べていれば全体に健康になる」というゴールにたどり着くことは残念ながらないと考えます。

ただ、それであきらめては元も子もないため、ここでは、普段やらないような切り口で食事について考えながら最大公約数的に幸せになる、健康になる食事を考えていきたいと思います。

ここでの切り口は「日本人」という視点です。その視点で見ると私たちにとって健康な食事

適している食事の最大公約数的な答えが見えてくると思います。
どうぞお付き合いください。

●日本人として食事を考えてみる。
皆さんは「古事記」を読んだことがありますか?

今から1300年前に編纂された、日本最古の歴史書で、一言で言えば日本という国を作った神々の物語が書かれた書物です。

古事記の舞台となるのは、「上の世界=高天原(たかまのはら)(神々がおられる天上界)」、「下の世界=黄泉(よみ)の国(死者の住む世界)」、そして「真ん中にある世界=(とよ)葦原(あしはら)瑞穂(みずほ)(くに)(現在の日本)」の3つです。垂直に位置するこれら3つの世界を神々が行き来しながら、リズミカルにストーリーが進んでいきますので読み物としてとても面白いです。もしご機会あればぜひ日本人のルーツとなる物語を読んでみてください。

さて、この古事記において、2つの重要な食べ物が出てきます。

一つは桃。日本列島及び日本の神々を生み出した「国造り」の神であるイザナギが、死者の国「黄泉」から高天原に逃げる際、悪霊(黄泉津醜男、醜女)に追われます。もう少しで追いつかれ捕まる、というときに、黄泉津平坂の坂元にあった桃の実を3つ取って投げると、醜男、醜女たちは一目散に逃げて行きます。

このエピソードから、桃の実は「聖なる食べ物」「魔除けの果実」と呼ばれ、イザナギを守ったこの桃は「オオカムズミ」とご神名が授けられ、神様に昇格、現在では愛知県の桃太郎神社、徳島県の加茂神社などで祭られています。

そしてもう一つ古事記で出てくる食べ物、それが日本人を健康にする食べ物の主人公である「米」です。

国造りの神、イザナギは多くの神様を御生みになっているのですが、その中で、最も尊い神様とされているのが「アマテラス」です。アマテラスは、生まれたときに父・イザナギから「高天原を統治するように」と役割を受け、神々の世界である高天原を統治します。さらにアマテラスは、豊葦原瑞穂の国(現在の日本)の統治も行うことを決めます。その時、アマテラスの指令を受け、豊葦原瑞穂の国に降り立った神がアマテラスの孫「ニニギ」です。

アマテラスは孫ニニギに三種の神器(八咫(やた)(かがみ)八坂瓊曲(やさかにのまが)(たま)草薙(くさなぎの)(つるぎ))を授け、豊葦原水穂国を高天原のようにすばらしい国にするため、天降るように命じます。そこでニニギはいくえにも重なった雲を押し分け、日向の高千穂(現在の宮崎県)の地に天降られます。(ニニギが日本の地に降り立った行為を「天孫降臨」という。)

なお、天孫降臨において、ニニギはアマテラスより、三種の神器とともに、もう一つ大切なものを授かります。それが「稲穂」です。神アマテラスは、米を豊葦原水穂国の人々の食物とするようにニニギに命じ授けたのです。

つまり、米とは、この日本という国において、三種の神器に匹敵する大切な、日本国を豊かにし、命をはぐくむ食べ物として神が授けたものなのです。

「この稲穂を日本人の主食にしなさい」

というのが、日本創設の神、アマテラスの意図だったのです。

(ちなみにニニギという名前は稲穂が豊かに賑わしく育っている様子を表現しているといわれている)

そう、私たち日本人にとって、米はただの食べ物ではありません。神が与えてくださった特別な食べ物なのです。

そして、私たちは「米」の呼び名に「お」をつけ、「お米」と丁寧語にして、神をたたえるかの如く大切に、大切に扱ってきたのです。

しかし近年、この神が与えし食べ物「お米」が、何か悪者のように扱われるようになってしまっています。

これは、日本人として、そして医師として到底納得できるものではありません。

よって、この本を通して、神アマテラスが私たちに与えてくださった「お米」の、そして自然を尊重する日本人の心と、伝統的な社会慣習を受け継ぐ健康食として、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食(主食の米を中心に魚・大豆製品などメインの主菜1品と旬の野菜・豆を使った副菜 汁物を含めて2品の一汁三菜を献立構成にしたもの)」の素晴らしさを一緒に考えていけたらと思っています」。





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