寝たきりのいない北欧、寝たきりだらけの日本

   

私は終末期及び死後世界の研究にて博士号を取得しています。

今日は世界と日本の終末期について語ってみたいと思います。

 

ヨーロッパの福祉大国であるデンマークやスウェーデンには、いわゆる寝たきり老人はいないと、どの福祉関係の本にも書かれています。一方、我が国日本は老人病院には、一言も話せない、胃ろう(口を介さず、胃に栄養剤を直接入れるため、腹部に空けた穴)が作られた寝たきりの老人がたくさんいます。
不思議です。日本の医療水準は決して低くありません。ある意味では皆保険のもとむしろ優れているといっても良いでしょう。
でもそのように医療の充実した日本では不幸な晩年を過ごす人が多いのに外国には寝たきり老人はいないのか?
それについて福祉国家スウェーデンにて考えてみます。スウェーデンにおいて老人介護施設において寝たきり老人は1人もいません。胃ろうの患者もいません。
その理由は、高齢あるいは、がんなどで終末期を迎えたら、口から食べられなくなるのは当たり前で、胃ろうや点滴などの人工栄養で延命を図ることは非倫理的であると、国民皆が認識しているからです。逆に、そんなことをするのは老人虐待という考え方さえあるそうです。
ですから日本のように、高齢で口から食べられなくなったからといって胃ろうは作りませんし、点滴もしません。誤嚥性肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。内服投与のみです。 したがって両手を拘束する必要もありません。つまり、多くの患者さんは、寝たきりになる前に亡天寿を全うしているのです。だから寝たきり老人がいないのは当然なのです。
さて、欧米が良いのか、日本が良いのか。いろいろな価値観があるでしょう。しかし、私は老健施設に勤めていたこともありますし、大好きな祖父が胃ろうにて3年間苦しい時間を過ごした経験を踏まえて、関節も固まって寝返りすら打てない、そして、胃ろうを外さないように両手を拘束されている最後は、全力で「拒否」します。よって日本ではなくスウェーデンなど北欧の人としての尊厳を最後まで保証してくれる国の終末期の方がはるかに素晴らしく、このような死を迎えられる国でありたいと願います。

 

しかし、日本という国終末期に対してはとにかく知識が不足しており、このような点を問題として話し合う機会がほとんどありません。よって医者が「口から食べられないので、胃瘻にしましょう」という言葉を言えば何も疑うことなく、「なんだかよくわからないけど胃瘻にします」という人が沢山います。また仮に家族が胃瘻を希望しなかった場合でも、患者さんが誤嚥性肺炎などから回復し、退院後施設に帰ろうとすると、今まで散々高いお金をとっておきながら、やれ「自己排痰ができないのにもどってきては困る」とか「カロリー摂取ができないのに戻ってきては困る」とか言い出し、「胃ろうをすれば入居可能です」と脅されることも日常で見られる光景です。ではそれを拒否して在宅に戻れるかというと、自宅で診れないからこそ、施設に入っていた人ですから、状況が悪化した状態で在宅はますます無理でしょう。それで、結局は「胃ろう」をせざるを得なくなってしまいます。

これが日本の現状です。

皆さんは100%死になす。また、ご両親を含め、必ずこのような問題に直面します。

どうか、このような土壇場に来る前に、どのような最期を迎えるかを家族で話し合って、笑顔いっぱいの最後を迎えてほしいと願っています。





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