コロナワクチン後遺症にL―カルニチンの可能性

私が最も尊敬する医師であり科学者である井上正康先生のコロナワクチン後遺症対策のレクチャーを先日お聞きさせていただきました。その中でL-カルニチンの可能性が言及されておりました。
当院でもL-カルニチンは利用しておりましたが、井上先生のお話を聞き、コロナワクチン後遺症において、L―カルニチンの可能性を改めて考えてみました。

●L-カルニチンとは:体内でアミノ酸リジンとメチオニンから合成される物質で、様々な健康効能が報告されているものです。以下にL-カルニチンの主な健康効能を特にワクチン後遺症で多い「疲労感」「ブレインフォグ」「うつ的な不安症状」という視点の改善という面で考えてみます。

●L―カルニチンの可能性
■疲労対策
1)エネルギー代謝の促進:L-カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアに輸送し、エネルギー生成に関与します。これにより、体内のエネルギー代謝が促進され、疲労感の軽減や持久力の向上に寄与することがあります。
2)心臓健康の維持:L-カルニチンは心筋細胞のエネルギー供給に重要な役割を果たしており、心臓機能の維持に寄与します。
3)運動パフォーマンスの向上:L-カルニチンは、運動能力や筋肉の持久力を向上させる効果があるとされています。脂肪酸の代謝をサポートすることで、持久力の向上や疲労の遅延に寄与する可能性があります。
4)筋肉の保護と修復:L-カルニチンは筋肉の損傷や炎症の抑制に関与し、筋肉の保護と修復を促進すると考えられています。特に、筋疲労の回復に役立つ可能性があります。

以上のように、L-カルニチンはエネルギー産生や筋肉の修復に関与することで、疲労感の軽減や回復時間の短縮に役立つ可能性があります。

■ブレインフォグ対策
5)脳機能のサポート:L-カルニチンは脳内のエネルギー代謝に関与しており、脳機能のサポートに役立つと考えられています。認知機能や集中力の向上、記憶力の改善に寄与する可能性があります。
6)神経細胞改善:L-カルニチンが神経の劣化や神経疾患に対して改善効果の可能性があります。
理由としては・エネルギー代謝の促進、・抗酸化作用(酸化ストレスは神経細胞に損傷を与える要因)、・神経伝達物質アセチルコリンの調節作用、が考えられています。
*アセチルコリン:体内で重要な役割を果たす神経伝達物質。神経伝達、筋肉の収縮、認知機能の維持、自律神経系の調節(アセチルコリンは自律神経系の一部である副交感神経の伝達物質としても機能)を行います。これらの役割を通じて、アセチルコリンは神経伝達や筋肉の収縮、認知機能の維持、自律神経系の調節など、私たちの体の正常な機能に重要な影響を与えます。

■うつ的症状対策
7)心理的ストレスの軽減:L-カルニチンはストレスホルモンの産生を調整する役割を果たすと考えられており、心理的ストレスの軽減に寄与する可能性があります。

8)セロトニンを増やす:一部の研究では、L-カルニチンの摂取がセロトニンの合成や分泌を増加させる可能性があると報告されています。(ただし、これらの研究は動物モデルやin vitro(試験管内)の実験を基に行われたものであり、人間における効果についてはさらなる研究が必要です)

■その他
9)脂肪酸の酸化促進:L-カルニチンは脂肪酸の酸化を促進し、脂肪の代謝をサポートします。これにより、脂肪燃焼が促進され、体重管理や脂肪減少に役立つ可能性があります。

10)血糖値の調節:L-カルニチンはインスリンの感受性を向上させることで血糖値の調節に寄与するとされています。糖尿病や血糖コントロールが必要な人にとって有益な効果が期待されます。

●誰にL―カルニチンを使用するのか?
以上のように、コロナワクチン後遺症に対して、非常に魅力的でありますが、L-カルニチンの効能については個人差があり、健康状態や摂取量などによって効果が異なる場合があります。よって当院では、血液検査、有機酸検査を行うことで、L―カルニチンの効果が高い方をセレクションし、様々な条件で増減させながら、よりピンポイントで高い効果を発揮できるようにしております。

以上、Lーカルニチンの可能性を述べてみました。
コロナワクチン後遺症に対して、安全で可能性のあるL-カルニチン、注目していただきたいと思っています。



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