下痢・便秘・腹部膨満~過敏性腸症候群とSIBOに効く食事 低FODMAP食
低FODMAP食
お腹の不調に対する食事療法として最近注目されているのは「低FODMAP」と言われる食事療法です。
一言で言えば、「吸収されにくい糖質は摂取しない」という食事のとり方です。
吸収されにくい糖質は、SIBOやSIBOに合併する過敏性腸症候群(IBS)の原因となる小腸内にいる細菌やカビのエサになりやすく、それによりお腹が張ってしまいます。また小腸内に糖質がとどまることで小腸内の濃度が高くなると、それを薄めようとして、血管の中から小腸の中へ大量に水分を引き込まれ、その結果、「お腹ゴロゴロ」や「下痢」がおこったりします。(浸透圧性下痢)
さらに、これまでSIBOじゃなかった人も、小腸で吸収されにくかった糖質が未吸収のまま大腸まで何度も到達すると、大腸内が栄養過多状態になり、その結果、異常なガス発酵、下痢、SIBOの発症、悪化という道をたどる危険があります。
よってSIBOにおける食事の基本方針は、発酵性のある4つの吸収されにくい糖を控える事、つまり「発酵性(Fermentable)」のある4つの吸収されにくい糖質「オリゴ糖(O)」、「二糖類(D)」、「単糖類(M)」と(AND)「ポリオール類(P)」食品を控える、ということになりこれらの頭文字をとって「低FODMAP食」となっています。
これは、オーストラリア・モナッシュ大学が科学的根拠を持って世界に発表した世界初の食事プログラムであり、科学的に根拠と効果のある食事療法となっています。
なお過敏性腸症候群の症状も75%改善することが報告されています。
またSIBOは陰性でも腹部の膨満感が気になる人、潰瘍性大腸炎やクローン病など炎症性腸疾患の人、セリアック病などはこの食事を意識してください。
●FODMAPの基本を押さえる
1)オリゴ糖(O)
・おなかに悪さをするのは、ガラクトオリゴ糖とフルクタンの2つ。人間はこれらを消化できる分解酵素を持っていない。
・ガラクトオリゴ糖:豆類やごほうなどが代表
・フルクタン:小麦や玉ねぎなどが代表
2)二糖類 (D)
・おなかに悪さをするのは、乳糖(ラクトース)だけ。
・乳糖は、牛乳やヨーグルトなどの高乳糖食に含まれてる
・日本人の7割以上が「乳糖不耐症」
3)単糖類(M)
・単糖類でおなかに悪さをするのは、果糖(フルクトース)だけ
・果物やはちみつが代表
・吸収がとても遅く、もともと果糖に対する消化酵素を持っていない「果糖不耐症」のは特に注意
4)ポリオール類 (P)
・糖アルコールといわれるソルビトールやマンニトール、キシリトールが代表
・ポリオールは分子量が大きく、人の消化酵素では消化されにくい
・果物やきのこ類などが代表
もちろんこれらが全てダメというわけではなく、個人の性質によりダメなものが異なります。よってお腹の不調の人は4~6週間、一度しっかりと低FODMAP食をやってみて、それから、1品ずつ食べてみながら自分の苦手なものや許容量などを見極めてほしいです。
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