下痢で水をとらないのは間違いです。
徳をもって絆を作る、絆徳経営を目指すこもれびの診療所院長の加藤です。
当院では下痢で来られる方が多いのですが、その中で時折見られるのが、出来るだけ水を飲まないようにしている、という患者様です。
たしかに、水様性の便を見ると、水を控えたくなる気持ちは良くわかります。
しかし、解剖学的、生理学的に考えて、その対策は間違っています。
人間は、食べ物や飲み物から1日に平均2.5リットルほどの水分をとっています。これに唾液1.5リットル、胃液2リットル、胆汁1リットル、膵液1リットル、腸液2リットル、合計10リットルほどの水分が消化管に放出され、その水分のほとんどが小腸で吸収されます(8.5リットル)。
小腸で吸収しきれずに残った水分は、便を形成するために大腸で吸収され(1.4リットルほど)、最終的残った0.1リットルほどの水分が便とともに体外に排泄される仕組みになっているのです。
つまり、水を少々取らなくても、便に含まれる水分量は、ほぼ関係ないということです。逆に、人間の体の6割は水分でできていること、また体内で生成された水分および摂取した水分の99%は再吸収すること考えると、体にとって水分がいかに大事かわかると思います。
水様便を見て水を控えたくなる気持ちは良くわかるのです。しかし繰り返しになりますが、解剖生理学的に水を少し控えたところで、10L 近くの水分をやり取りしている腸にはほぼ関係ありません。体全体の取ってはむしろ脱水のほうが問題です。よって水様便を見ても怖がらず水分はとってあげてください。
ただし、胃直腸反射で、大量にとるとお腹が反応する場合もありますので、少量頻回に取ることがよいと思います。
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