SIBOの呼気検査~お腹が張るならSIBOを考えよう

   

いつもお腹が張って苦しい方は、もしかするとSIBOSmall Intestinal Bacterial Overgrowth 小腸内細菌異常増殖)かもしれません。

私達の「腸」は、「小腸」と「大腸」に分かれており、小腸は食べ物からの栄養を吸収、大腸はその残りかすから水分を吸収し便を生成する仕事を行っています。

この腸の中には、腸内細菌が多数いるのですが、その大半は大腸の中にいて、小腸内腸内細菌は大腸に比べると100万分の1以下の数しか本来存在しません。(小腸内細菌:104/μl・大腸内細菌:101012/μl

なぜ、このようになっているかというと、小腸内は以下のように腸内細菌が増殖できないシステムを持っているからです。

  1. 小腸上部:胃液に含まれる塩酸が細菌の過剰な増殖を防ぐ
  2. 小腸内
    ・胆汁酸と膵臓内の酵素が細菌の過剰な増殖を防ぐ
    ・小腸内免疫機能により、小腸内細菌増殖を抑制する
  3. 小腸下部:回盲弁により小腸と結腸が区別されており、大腸から小腸内への菌の侵入を防ぐ
  4. 伝播性消化管収縮運動:小腸収縮運動により細菌を小腸側から大腸側に洗浄する

しかし、上記システムの機能障害が起こると、大腸にあるべき細菌が小腸に入り込み、そのまま小腸にとどまって爆発的に増えてしまいます。

この増えすぎた腸内細菌は、食事を摂取することで大量のガスが発生します。この病態をSIBO(小腸内細菌異常増殖)といい、この現象により、ほんの少し食べただけでもお腹がパンパンに膨れて、消化管を中心に様々は苦痛症状が出現します。

症状1:消化管症状

1)おなかが張って苦しい

2)異常な頻度のげっぷがでる

3)胃酸が逆流する

4)下痢、便秘などを繰り返す~下痢型SIBOは小腸内に「水素ガス」を発生する腸内細菌が多い場合、便秘型SIBOはメタンガスを発生する腸内細菌が多い場合に起こります。なお、細菌だけでなく、カビが原因となる症例も23割くらいあるといわれます。

健康と思われる人の腸を調べると、約31.25%SIBO*だったというデータもありますから、SIBOは実は非常に身近で、そして見逃されている病気ということができます。

●SIBO検査
では、SIBO疑いの場合どのように診断するのでしょうか?
基本検査は「呼気検査」になります。
これは、痛くもかゆくもありません。ただ、「フー」と軽く息を吐いてもらうだけです。
ただ、以下に示すように、何度か行ってもらわないとなりません。


●呼気検査のやり方

  1. 朝ごはんを抜いた状態でガス摂取を行う
  2. ラクツロ-ス12gを内服してもらう(砂糖を摂取することで細菌がガスを発生できる環境を作る)
  3. その後以下の時間で呼気ガスを摂取する

ガス摂取2:5分後 ガス摂取3:10分後 ガス摂取4:20分後 ガス摂取5:30分後 ガス摂取6:40分後 ガス摂取7:60分後 ガス摂取8:80分後 ガス摂取9:100分後 ガス摂取10120分後

なぜ、このように何度もガスをとっていくのか。

消化管内に生息する細菌は、糖質をとると、水素ガスやメタンガスを発生します。

通常は大腸にしかいないため、糖質摂取後、これらのガスが放出されるのは90分後以降です。しかし、本来存在すべきでない小腸内で腸内細菌が増殖すると、小腸内で糖質摂取に伴い、本来よりはるかに速い60分前後にガスを発生させます。つまり、糖質摂取後の吐いた息(呼気)のガス分析を行うことで、小腸内に菌が増えているか、またその量はどれくらいかを判定することができ、それに伴いSIBOの診断および重症度がある程度推測されるようになります。

結果の例です。
この方の場合60分後から水素ガスが上昇しております。(20以上を陽性)
つまり、小腸内に細菌が多数いて、糖を摂取してガスを発生させた、という事です。

今回はSIBOの呼気検査について説明いたしました。
原因不明の腹部膨満感で苦しんでいる人は非常に多いです。
ぜひ、気になる方は一度この検査を考えてみてください。

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