腰痛のお話し2~椎間関節
本日の慢性腰痛のお話は、腰痛の痛みの原因6つの中
①椎間板の異常
②椎間関節の異常
③筋肉の異常
④神経の異常
⑤骨の異常
⑥心理社会的要因
の②、「椎間関節の異常」についてです。
臨床上の特徴とすると後ろに反った時に痛みが強くなる、というもので「脊柱管狭窄症」が代表的な疾患となります。ただし、ヘルニア同様、腰部脊柱管狭窄があっても、腰痛が出ない人も大勢存在します。
ちなみに「腰部脊柱管狭窄」の場合、問題になるのは腰痛よりも「間欠跛行」です。これは、少し歩くとすぐに足にしびれや痛みが出現し歩くことが出来なくなる、少し休むとしびれが楽になるので歩けるようになる、しかし少し歩くと再びしびれが出現し休まざるを得なくなる、という歩行を繰り返すことです。つまり「休み休み=間欠」でしか歩けない歩行、ということになります。
間欠破行は大きく、「神経性間欠破行」と「血管性間欠破行」の二つに分けられます。腰部脊柱管狭窄は「神経性間欠破行」の代表的な病気です。
「血管性間欠破行」は足に行っている血管が詰まる病気です。この病気は閉塞性動脈硬化症と呼ばれ、動脈硬化が原因で起こります。動脈硬化が原因になる病気には、脳梗塞や心筋梗塞がありますが、足に行っている血管に動脈硬化が起こり、血管が詰まると血管性間欠破行になります。この病気の特徴は膝の裏側に痛みが出ることです。立っているだけでは痛くなりませんが、歩いたり、自転車を漕いだりすると痛みが出ます。
これに対して、腰部脊柱管狭窄に見られる「神経性間欠破行」の大きな特徴は、自転車ならいくらでも漕げることです。腰を少し前にかがめると、いくらでも歩くことができます。お辞儀の姿勢を取ると、神経の通り道が少し緩くなるからです。前屈みになれば楽ですが、胸を張って歩くと痛みます。痛くなる人もいれば、しびれて歩けなくなる人もいます。また足に力が入らなくなる人もいます。
これは徐々に悪くなるため、様子を見ながら、悪化が進むようでしたら手術を考慮することになります。ヘルニアと同様、ひどい尿漏れがあったり、夜間頻尿があったり、近くのコンビニに行けないほど悪いときはすぐに手術となります。
しかし、脊柱管狭窄症と診断されても手術まで行く場合は非常に少なく、また脊柱管狭窄症と診断はされたものの、症状は腰痛のみという場合、椎間関節の問題ではなく、たんに姿勢の悪さなどからくる③の筋肉が原因になっている可能性が少なくありません。
よって脊柱管狭窄症と診断されても悲観することなく、体操などをしながら、しっかりとケアしていってみてください。
十分改善していく可能性が高いと思いますよ。
今日も最後までお読みいただきありがとうござしました。
happinessいっぱいの毎日でありますように。
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