慢性疼痛は家族で発生することが多い

      2021/06/04

ゴールデンウイークも後半戦、ゆっくり過ごされているでしょうか?
さて、今日は頑固な痛み「慢性疼痛」についてのお話しです。

 

慢性疼痛患者を親にもつティーンエイジャーは、自身も慢性疼痛リスクが高いという研究論文が、「Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine」オンライン版に掲載されました。

この研究では、ノルウェー在住の5,300人強のティーン(13~18歳)およびその親を追跡しました。その結果、片方または両方の親に慢性疼痛がある子は、慢性の非特異的疼痛および慢性の多発性疼痛の比率が高いことが判明しました。両親ともに慢性疼痛のある場合は、ティーンの慢性疼痛リスクがさらに高かったということです。

研究著者であるノルウェー科学技術大学のGry Hoftun氏らは、社会経済学的因子や心理社会的因子を調整後も、結果は変わらなかったが、家族構成による影響が認められたと述べています。例えば、主に母親と生活しているティーンは、母親に慢性疼痛がある場合、本人の慢性疼痛リスクも高かったが、主に父親と生活しているティーンにはこのような関連は認められなかったとのことです。
環境的因子を共有していることが、成人とその子どもに慢性疼痛が生じる重要な因子となっている可能性があると、研究グループは結論付けています。

米国の専門家は、この研究はいくつかの疑問を提起するものだと述べています。
「この知見は驚くものではないが、原因となる因子、つまりこの関係の根底に何があるのかは明らかにされていない」と、米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク)のBradley Flansbaum氏は指摘し、「あらゆる曝露、特に社会的影響について考慮することは不可能であり、遺伝および環境が及ぼす影響についても説明するのが難しい」と述べています。

Flansbaum氏は、「原因はともかく、家族内でまとまって疼痛が発生しているという重要なポイントを見失ってはならない」と指摘するとともに、この知見によって、慢性疼痛に罹患する人の検出が容易になり、治療を向上させる可能性があるとの考えをこの論文では示していました。
 

なんだか、医学論文って話が難しいですよね。

簡単にまとめると

1)慢性疼痛は親が持っていると子供に感染症のように「ウツル」という現象が起きる

2)原因はよくわからない

ということです。

 

これに対して、私なりに解釈を加えさせていただきます。

 

以前ミラーニューロンのお話しをしたのを覚えていますか。簡単に言えば「鏡細胞」というものが脳内にあり、目の前で起こる現象を自分の脳に鏡のように映し、自分に起こっていると感じてしまう細胞のことです。
 

これを踏まえて、「痛い」が移る理由を考えてみましょう。

親が痛みを感じ、「痛い痛い」という、また苦痛の顔を常にしていれば、それがそのまま、子供のミラーニューロンに映されます。その回数が多ければ多いほど「痛い」という現象が、言葉や症状と共に子供の脳に移り、その結果、子供の脳が「痛み」を感じてしまうのです。

私はそのように解釈します。

 

また、以前から「意識」や「思い」の力はお話ししてきました。

それを考慮すれば、痛みを感じている親の不快な意識も、子供に伝わりやすくなっている可能性もあるかもしれません。


以上を踏まえての結論です。

まず大切なことは「痛い」という言葉を使わないことです。

「痛い」という言葉は、他人に痛みを振りまく可能性があります。


「痛い」「苦しい」という言葉は、他人のミラーニューロンをとおして、苦しみを与えてしまう、ということです。

 

今、痛みで苦しんでいる人には、とても辛く、また酷いと感じるかもしれません。

 

ただ、知っていてほしいのは「痛い痛い」と言っても誰も幸せにはならない、という現実です。さらに言えば、その言葉の繰り返しは、自分自身の聴覚を通して、さらに強く自分の脳に痛みを感じさせてしまっている可能性があるということです。

 

簡単ではないです。私も痛いとき、苦しいとき、すぐに弱音を吐いてしまいます。

誰かにこの苦しみを共感してほしくなります。

ただ、その言葉が、相手を幸せにしていないことは知っています。だから、少なくする努力はしています。

 

もちろん、治療家の前では、痛みをきちんと伝えてください。

私達にぶつけてください。

でも、特に大切な人には、その言葉を10回使おうとしたときは、そのうちの何回かはぐっと胸の奥にしまってください。大切な人の笑顔のために・・・。

 

どうか、どうか、今苦しいあなたが楽になりますように。

「痛い」という言葉を述べなくてもよい状態になりますように。

私がそのお手伝いができる治療家でありますように。

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。


参考文献:HealthDayNews (2012年11月19日)





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